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桔梗紋  作者: 翠泉
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褒美

 褒賞を貰うため稲葉山城へと駆けていた。

 もう日が昇り始めている。

 僅かな人数で馬を走らせていたのだが如何せん残暑が厳しく、馬達が疲れているようだ。


 「詳しい時間は書かれてなかったが間にあうのか?」

不安を感じた。

と思ったが君主だからといって向こうが急に決めたのだから責められるいわれはない!

 「大将首を取りましたし、城を落としたのも我々ですから少々は待ってくれるでしょう」

と言って左馬助は苦笑いをしていた。

 一応この戦で一番活躍をしたのは自分達だから待つはずだ!

待ってくれてたらいいなぁ……


 道中で広忠殿とばったりと会ったので共に稲葉山城へ到着した。

 「いくら何でも無茶は控えていただきたいものだ……」

と広忠殿はため息をついた。

 とても気持ちは分かる。

 「一応昼前には着くことができて良かったですね」

 「それはそうだな」

 そんな会話をしながら稲葉山城へと入城した。


 「いや〜遅かったのう。待ちくたびれたぞ」

 道三様はあくびをしながら出迎えた。

 あなたのせいだよ!と皆一同に思ったことだろう。

 「すみません……存外、距離が遠いもので」

と答えた。いや、本当に疲れましたよ!


 「早速じゃが十兵衛、お主は何が欲しいのじゃ?やはり土地かな?」

 それは欲しいけども……

 「いえ、自分は今の生活に満足しております。時期当主でもありますし、自分には民をこれからも守る義務がありますので!」

 少し勿体無いことをしたかな?とも思ったが悔いはない。

 そうか……と道三様は呟いてから、

 「ならば何か欲しいものはあるか?」


 そうだな……強いて言えば、

「火縄銃が欲しゅうございます!五十丁ほどを……欲を言えば百丁……」

 「そうかそうか。ならば百丁用意しよう!」

 本当に嬉しい!

 この戦で鉄砲は有用であると実感できたし、やはり素人でも短期間で使えるようになるのは大きい。

 まぁ、実を言うとただ自分は火縄銃が好きだから皆にも使って欲しいだけだけど……

 将来的には明智家鉄砲隊の名を全国に知らしめてみせる!と思った。

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