放課後の帰り道2
アクセスありがとうございます。
「・・あそこです」
先を歩く香澄ちゃんは駅に続く通りの途中にある普段は曲がらない交差点を右へと進み、その先の通りの途中にある路地の奥に指差す方向にある店先に列ができていた。
「並んでるね・・どんな店なの?」
「並んでからのお楽しみです」
そのまま列の最後尾に並び順番を待つも背丈が自分より低い女子生徒ばかりのため、店先にある看板メニューや漂ってくる甘い香りにどんな店か想像できるも答えは口にしないでおこう。
「・・・・女の子ばっかりだね、香澄ちゃん?」
「はい、女の子に人気のお店ですから。それに男の子が並ぶのはその・・恋人連れしかいません」
「・・え? つまり、それって・・・・」
「はい、私と悠人先輩は、恋人って見られてます・・キャッ」
「か、香澄ちゃん?」
小さな両手で顔を隠し身体を揺らし背負っているリュックを俺に軽くぶつけながら恥ずかしがる彼女の仕草が少し可愛いと思いつつ、初めて会った時の警戒心剥き出しの頃とキャラが変わったなと感じ黙って見守ることにした。
「悠人先輩は、どのワッフルケーキにしますか?」
前に並んでいた子達が減っていき店前に近付いた頃には、看板メニューを香澄ちゃんも見えるようになっていた。
「ん〜そうだねー」
十数種類ある中メニュ全てが甘そうなため唯一無難なプレーン味にしようか答えを濁していると、優柔不断ではない香澄ちゃんは先に食べたい物を決めていたようで教えてくれる。
「わたしは〜フルーツカスタードとラズベリーカスタードにしました」
「・・はやいね。それなら、チョコオレンジ味とプレーン味にしようかな」
「あ〜チョコオレンジも気になってたんですよねー。あとで交換ごっこしましょう? 悠人先輩??』
「こ、交換ごっこ? さすがにそれは・・ね?」
やんわりと断ろうとするも、香澄ちゃんはどうやら不服らしくプクッと頬を膨らませ潤んだ瞳を上目遣いにして訴えかけてくる。
「・・・・・・」
「・・わかったよ。先に俺の食べていいから」
「ありがとうございます。私が先に食べて、先輩にワタシも食べられちゃうんですね?」
誤解を招くような発言に前にいた女子生徒が振り返り視線が重なり、名も知らない女の子は俺を変態扱いするような瞳をしていた。
「ちょ・・香澄ちゃん。いきなり変なこと言わないでね?」
「センパイ、今日も優しくシテくださいね?」
「・・・・」
振り返っていた女子生徒は香澄ちゃんのセリフを聞いて顔を紅潮させ前を向き、もう何を言っても香澄ちゃんは聞いてくれないだろうと諦め横に並び立つ彼女の顔が、視界に入らない方向へと視線を向けて少し放置することにした。
自分達の順番まで残り2人になる数分間の時間に香澄ちゃんからの問い掛けを無視していると、不意にズボンの右ポケットに手を突っ込まれそのまま裏生地を出し掴んだまま俯き静かになる。
急に静かになった香澄ちゃんの姿に少しやりすぎたなと反省しつつ、もうあと少しで注文の順番になるため彼女の頬を軽く押したつもりが予想以上にズブッとめり込んでしまった。
「あっ・・・・」
やらかしたことに口方出た言葉をきっかけに、香澄ちゃんは負けじとグググッと顔を見上げ俺を見る。
「・・せんばぁい」
「ご、ごめん・・」
柔らかい香澄ちゃんの頬に沈んだ人差し指を離し謝ると、サイドメニューにあるアイスティーLサイズを奢らされることになった。
並んでいた時に2人で決めていたワッフルケーキとアイスティーを追加で2個買い終えた後にどこで食べようかと話し合った結果、最寄りの公園ではなく俺の部屋でと決められてしまった。
「・・悠人先輩のお部屋に行くのは、ひさしぶりですね」
「そうだね〜こないだは、タイミングが合わなかったし」
アイスティーを冷たいうちに飲もうとストローをパクッと口先で咥えて飲みながら歩く香澄ちゃんと視線が重なると、先輩も飲みますかと咥えていたストローを口元に近づけられた時にはさすがに動揺してしまった。
その何気無い香澄ちゃんの行動に胸がドキドキしていたため、あまり彼女の横顔を見て話せなくなり時間があっという間に流れてしまい、もう自分が住むマンション前に辿り着いてしまっていた。
「おじゃましまーす!」
玄関ドアを開けて先に香澄ちゃんに入ってもらうと、彼女は家の間取りを知っているせいかそのまま洗面室へと向かい手を洗い俺と入れ替わると、そのままリビングではなく俺の部屋へと入ってしまったのだった・・・・。




