一哉の吐露
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「邪魔しやがって!!」
キレた一哉が俺に襲い掛かって来るも素人が力任せで殴る打撃を殺しながら受けつつ、痛みに耐えながら一方的に暴力を受けているように誰かが向けている視線に対して俺は動く。
湧き上がる感情を剥き出しでぶつける一哉は、だんだん息が上がり疲労がもう溜まって来たらしく殴ったり蹴ったりするも体重が乗っていないため打撃力は少ない。
「はぁ・・はぁ・・てめぇが、さっさと病んで学校辞めれば最高だったのに! しぶとく来やがって!!」
「・・・・」
もうこれ以上殴られる役は無駄だなと感じてきた俺は、必死に動かし続けていた腕に乳酸が溜まり思うように動かせなくなる一哉の無防備な腹に足蹴りを1発蹴り込むと、そのまま背中を地面に強く叩きつけるように倒れた。
「がぁっ・・」
仰向けになり腹部を手で押さえて動けない一哉の近くへと歩み寄り苦しむ一哉を見下ろす。
「ゔぅ・・でめぇ・・」
「もう終わり? だせぇな?」
「・・・・」
「一哉、なんで俺の彼女だった女子を寝取ったんだ?」
「・・・・」
「ダンマリか・・もうお前、学校退学して仕事して稼げよ」
「・・・・」
「あーけど、どっちかを選ばないといけねーんだよな? んで、どっちだ?」
「黙れ・・俺は、女は遊んで飽きたら捨てる・・」
「今のお前は、捨てられる側だけどな?」
「悠人・・お前は、昔からムカつく野郎だ」
「昔から? 一哉のひがみだろ?」
起き上がる事もできない一哉の視線は空を見つめ、俺と視線が重なることはない。
「・・昔から全部だ・・全部、お前が手に入れていくのがムカついた・・中学に居なくなった日から、俺が全部お前の代わりに欲しいモノを手に入れた・・お前のモノだったモノを全部・・・・そのはずだった」
「何言ってんだ? 手に入れてただろ?」
「・・アイツら・・結衣と葉月は、どんなに穢して溺れさせても身体だけ・・・・アイツらの瞳に俺がまともに映ってた時間なんて無かった」
「ウソつけ」
「はぁ・・お前が消えて、結衣を誘って無理矢理して繋がった瞬間は最高の気分だった・・俺はお前に勝てた。この女を俺が染めていけると・・」
「・・幼馴染に・・結衣をレイプかよ」
「は? レイプ? ちげぇーよ。合意だ・・途中からアイツは快感に溺れて逆らわなくなり求めてきたからな?」
「結果がどうであれ、無理矢理ならアウトじゃねーか」
「男はやったもん勝ちだ。まぁ葉月なんて、結衣にお前が奪われて落ち込んでる隙を優しくしたら、あっという間に墜ちたし」
「やっぱり、クズだわお前・・」
一哉は思い出しているのか、ニヤついている。
「お前も同じだ・・女を大事にしない俺と同じクズ野郎だ。まぁ、転校生で来たお前の姿を見た葉月は俺と先に繋がったことに後悔しててな・・・・ベッドの上で大泣きするのを見下ろしながらハメた夜は、今思い出しても最高だな」
一哉を黙らせるため、思いっきり顔を殴りたい衝動をグッと堪える。
「・・お前、幼馴染をどう思ってんだよ?」
「別に・・お前しか見ていなかった2人を、お前から奪えたらそれで終わり・・・・ただそれだけだ」
「皆瀬・・咲希ちゃんは、どうなんだ?」
「咲希か・・知らん。結局、アイツは全部が中途半端な女だったな・・まだ処女だぞアイツ・・知らんけど」
「知らんって・・結衣達に自慢してたんだろ? 後輩も俺の女にしたって?」
「結衣に? あの2人に言う訳ねーだろ? お前が消えてから、高校卒業するまで選ぶ予定だったフリでいたんだ」
「はぁ?」
一哉の言い分とあの日の昼休みの屋上で結衣達が言っていたことが、噛み合わない。
「まぁ咲希をおれの女にしようと考えたことがあったけど、アイツは親戚だからヤリ捨てたのが親にバレたら殺されるから、そんなリスクは犯さない・・でも、脅せばそれなりに楽しめたかもな〜もったいないことしたぜ・・」
一哉の言葉で皆瀬との親戚関係は事実らしいが、2人の肉体関係の有無なんて今更聞いてもどうでも良いことだ。
そんなやりとりを一哉としていると、近付いて来る足音が聞こえ顔を上げると逃げるように去った皆瀬の姿があった。
「・・・・」
彼女は足を止めるも黙ったまま俺と一哉を見ている。
「どうしたの?」
久しぶりに声を掛けてみると、クリッとした大きな瞳が揺れて俺を見つめる。
「・・センパイ、わたし・・・・」
「おい咲希! もう今更なんだよ、バーカ!」
彼女の言葉を遮るように言葉を吐き出した一哉の声で、皆瀬はだしかけた言葉を飲み込んで俯いてから口を開く。
「・・いいえ、センパイへの暴力・・全部撮りました。これで、学校からあなたを追い出す助力にします! それが、センパイへのわたしの償いです!」
皆瀬は、一哉に宣言するよう言いきると、そのまま走り去って行った。
「・・・・」
「同級生2人を同時に孕ませて、暴力事案か・・ホント、詰んだなお前?」
「・・・・」
「しかも、全部が幼馴染絡み・・・・終わったな」
「うっさい」
「それじゃ、俺は帰るわもう・・そうだ、一哉・・最後に幼馴染として言いたいことがあったんだった」
「なんだ? 慰めてくれんのか?」
「なわけねーだろ?」
「知ってるわ・・んで?」
見上げる一哉と今になってようやく視線が重なった俺は、ゆっくりと立ち上がり告げる。
「・・・・ざまぁねぇな」
「・・・・」
無反応な一哉を一瞥した俺は、振り返ることなく公園から出てしばらく歩いていると、発狂するような一哉の声が遠くから聞こえたことで、満足して家へ向かったのだった・・・・。
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