幕間・・秀平と楓
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悠人はお姉さんに言われて気絶したままのクズを引き摺り通りがある表の方へ向かって行った。
視線を戻すと、すぐそこでまだ泣いている彼女・・女のことが大好きで自分の時間より彼女を優先していた自分が居たけど、今はその感情が微塵も無く消えている。
ただ、穢れた女・・・・人としては想ってはいけない言葉だけど、目の前で泣いている女にはソレが一番似合ってる気がした。
もちろん俺は男を知らない処女厨じゃないと自覚している。出会って関係を深めて告白してカレカノとなり、既に経験済みであっても今の彼女が好きだから過去の男なんて関係無い。
自分との時間を重ねて過ごす前の知らない彼女が過ごした時間に出会った関係なんて、俺がどうこう言える立場じゃないから。
でも、あのクズだけ・・・・木下一哉にだけは関係を持っていて欲しくはなかった。
胸の中でグチャグチャに引っ掻き回される感情の中で、彼女だった他校の女子生徒を見下ろし言葉を吐き出す。
「・・・・このままじゃ、何も変わらないから場所を変えたいんだ」
「・・・・ゴメンなさい」
「聞いてた?」
「ゴメンなさい」
会話にならないことへの苛立ちに少し口調が荒くなり、ビクッとする彼女は立ち上がるも俺と視線は重ならない。
「・・ついて来て」
悠人達と入ってきた場所へと戻ると、投げ捨てられたゴミのように木下一哉が仰向けで倒れていた。
「コイツが全ての元凶・・」
見下ろしながら呟き、俺は痛めつけるようにクズの身体の上を踏み締めるよう歩き壊れたフェンスの隙間から通りへと出た。
背後で俯き黙ったまま歩いて来る彼女と共に駅の方へと歩き、話ができるファミレスへと入り席に案内され備え付けタブレットでドリンクバーを2人分注文するも、互いに席から立つことはなかった。
「「 ・・・・・・ 」」
会話が無いまま時間は流れ、テーブルを挟んで向こう側にいる彼女との距離は物凄く遠くに感じた俺は、とりあえず悠人に電話を掛けた。
今は悠人のチカラを借りることなく1人でなんとかすると告げて通話を終わらせてから、未だに俯いたままの高山楓を見つめる。
「・・・・アイツと、木下一哉とはいつから?」
「ゴメンなさい」
「はぁ・・謝るのはもう聞き飽きた・・・・それよりも質問に答えてくれる?」
「・・・・」
「だからさ、いつからなの?」
「・・・・去年」
「去年? そんな前からかよ・・・・キッカケは? キミから?」
「ちがっ・・う」
自分からではないと反応するようにバッと顔を上げるも、視線が重なるとサッと逸らし俯いた。
「やっぱりクズからか・・っで?」
「・・学校の帰りに・・駅前の通りでしつこく言い寄られたの。たまたま私の前を歩いていた上坂先輩が彼と話している光景を後ろから離れて見ていたら目が合って・・」
「悠人の姉さんに相手されなかったから、キミが標的になった訳か・・」
よく見ていないと気付かないくらいのコクリと頷く反応に、俺は続ける。
「その時は・・俺とキミは付き合っていた時期?」
「うん・・彼氏が同じ学校に通ってるから無理って断ったけど・・浮気していないか調べてあげるって言われて・・・・」
「その頃から俺は・・信用されてなかったんだね」
「そ、そんなことない!」
「ん? 俺が本命じゃないって、さっき言ってたじゃん?」
「・・・・」
「無言の肯定か・・嘘でも否定してよ」
「違います。最初は彼は・・私だけ好きみたいって教えてくれたの・・・・それから、何度か会って教えてくれるうちに、最近の彼は変な行動しているって聞かされて・・」
「学校が違うから行事の時期も違うよね? それに俺が誘って断ってたのは、クズと秘密裏に会ってたから?」
「ゴメンなさい・・最初は帰りの通学路で聞いていました。それから公園に変わって、時間が夜になって週末に・・・・」
「俺への不信感と目の前の優しいクズに惹かれて、肉体関係をもっていたんだ・・」
「ゴメンなさい。こんなハズじゃなかった・・。会う度にスルだけの関係に・・・・戻れなくなってました」
「・・俺のことをいつも子供扱いして、裏ではクズと青空の下で仲良く快楽に溺れてたんだな? このビッチは」
「・・・・」
テーブルの上に置いている小さなてが震えているのを見て、その動きがクズが腰を振っていたあの光景がフラッシュバックした。
「なぁ、知ってるか? 避妊具付けずにヤルと、男が満足する前でも妊娠するリスクがあることをさ?」
「えっ??」
妊娠ということばに今日1番の反応をしたことに、こういう知識は無かったんだなと知る。
「俺とは1回もシテ無いから、キミの妊娠が後から発覚しても関係ないから」
「・・妊娠? 赤ちゃん? 私が・・・・」
「そう。あのクズは他にも何人もの女と関係持ってるし、間違い無くはぐらかされるから・・ドンマイ。最悪は、高校中退だね」
「そんな・・私は・・」
「楽しい高校生活・・もう詰んだかもね? 最後に言っておくけど、親頼れば? 金で解決してくれるんじゃない? まぁ、風紀に厳しいあの学校にバレなければだけど」
「い、いや・・」
「まぁ、自分の身体に聞いてみたらどう? 俺にはもう関係無いキミだから、知らんけど・・」
告白を受けてくれて楽しかった僅かな時間の気持ちとして、一口も飲んでいないドリンクバー2人分の料金を支払いファミレスから俺は縁を切るように1人出た。
何を考えていたかわからない元カノというビッチは、両手で顔を覆いテーブルに伏せている姿を見たのが彼女の最後の姿だった・・・・。
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次話は本編に戻ります。




