親友からの報告
アクセスありがとうございます。
『秀平、生きてるか?』
『たぶん・・』
数分経ってから返事が返ってきたことに少しだけ安堵する。あの時の俺だったら返事を返す気力も残って無かったから。
『ギリギリみたいだな秀平。寝取られ先輩からの忠告は、とにかく休め。今はきっと、容姿が似た女子を見るだけで嫌になるから』
『そうする』
それから秀平をそっとしておこうと決めた俺は不用意にメッセージを送ることなく学校生活を過ごし、ゴールデンウィークが明日から始まるという日になっても学校に来ることが無かったため、自重していたメッセージを送ってみる。
『明日から、ゴールデンウィークだぞ秀平』
『知ってる。久しぶり』
『生きてたんだな? 久しぶりに遊ばないか?』
『わかった。それとなく落ち着いた気がするし、外にも出れるようになったんだ』
『悪い、なんか強引な誘いだったな秀平』
『悠人だからな。それよりも、お前の幼馴染は学校来てるか?』
秀平の問いに一瞬だけ一哉のことを聞いているのかと思い、どう返事をすればと指が止まっていると秀平に先手を取られた。
『クラスメイトの幼馴染女子2人だよ』
雨宮と一条の方かとわかり、2人を全然意識していなかった俺は2人の席へと視線を向けるも姿は無くカバンも無かった。
『2人は休みっぽい?』
『やっぱりな。気分転換に買い物した帰りに、近所の産婦人科から一条と母親の2人が出て来たのを偶然見つけた』
『マジか!?』
『マジだって! 突然だったから、さすがに証拠写真ないけどな』
秀平のメッセージに単純に一哉の子供を孕ったと思い浮かべるも、過去に姉さんも母さんに連れられて行っていたことを思い出し、とりあえず否定する。
『男にはわからない、なんかの診察じゃないの? 知らんけど』
『絶対にアイツに孕まされたんだよ』
『否定はしないけど安易にそう判断するのは、姉がいる弟としてはできないかも』
『なんか、冷静だな悠人』
『この胸はドキドキしてる。聞いてみるか?』
『キモッ』
どうやら秀平に冗談は通じなかったらしくそれから秀平からメッセージが届くことはなく、もう少しで授業始まる時間が近づいたためポケットにスマホを入れようとしたと同時に着信があったためメッセージだけ読むことにした。
『一条と違う場所の病院で、今さっき雨宮を見た』
授業が始まり返信できないまま何度も着信通知があり、全部送り主は秀平だろうと思い気になるのを我慢して昼休みにスマホを手に未読メッセージに目を通した。
片言の短い文章で何度も送ってきた秀平のメッセージを要約すると、雨宮も産婦人科から母親と出て来て家に帰るもすぐに1人出て来たのを秀平は追いかけたようだ。
雨宮が向かった先のファミレスで待っていた一条と会い近くの席に座った秀平は会話を盗み聞きすると、どうやら同じようなタイミングで体調が悪くなったと。
2人で話し合ってまさかと疑いながら別々の病院で診察した結果、妊娠していることが判明して関係を持つ一哉が相手に間違いないと言うことらしい。
『一哉が2人のパパか。秀平は、あの子とどうなったの?』
『あの後、すぐに有無を言わさず別れてやった。後で妊娠したのがわかっても、微塵も関係を持ってないから俺じゃないと吐き捨てて』
『お疲れさん。そんな感じなら、ゴールデンウィーク明けから学校来れそうか?』
『たぶん行ける。このまま引き篭もったら、あのクズに負けた気分だからな』
『りょーかい』
今日は午後の授業は無く校長の有り難く長い独り言を聞かされる罰ゲームを乗り越えた先にあったのは、明日から始まるゴールデンウィークだ。
もうここにいる必要がない俺は、思い残すことがないため連休の予定を楽しそうに話すクラスメイト達を横目に教室を出ようと立ち上がると、理香が行手を阻むかのように声をかけて来たのだった・・・・。
感想評価ありがとうございます。




