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生徒会室に疑念は踊る-6

 そういう訳で私は生徒会室を借りて彼らから順番に話を聞くことにしました。

 寒くなってきた今は少々悪いとは思いますが他の人は廊下で待ってもらう事とします。

 

 四人の中に犯人が居る。

 それはつまり隠し事をしている人や嘘をついている人が居るという可能性が高いという事です。

 それが誰かわかればこの問題は即解決となります。

 同じ状況であったとしても人によって見え方が違うし、何よりも話しに食い違いが発生すればそこから突き崩すことができるかもしれないわけです。

 実際はそんな簡単にはいかないでしょうけど。

 

 最初は副会長であるレイヴンさんです。

 

「俺からはさっき会長が話していた以上の事は特に無いぜ」


 そう言う彼の態度からは後ろめたい事など無いと全身で表されていました。

 彼は生徒会の副会長。

 普通に考えれば次の会長は彼だったはずです。

 しかし、それが思わぬ流れからか指名ではなくなり、会長の恋人の座もかけて選挙を戦う事になりました。

 万が一にでも選挙で負けるような事があれば彼は本来は得ることができるはずだった会長の椅子も失うわけです。

 もしも、選挙の結果が望まない物だったとしたら犯行に及ぶ事は十二分にあるでしょう。


「では、私から幾つか質問をさせてもらっても良いですか?」

「何を話したら良いかわからねぇからな。質問してくれたほうが確かに楽だ。だけど本当に特に言うような事はねぇんだがな」


 椅子にドシンと座る彼の体は大きく威圧感がある。

 私を見る目も意識はしていないだろうが鋭さがある気がしてしまいます。

 彼からすれば私は場を収めにきたというよりも引っ掻き回したと考えているのかもしれません。


 こちらとしては頼まれたからやってきたというのに損な役回りに思えてなりません。

 とりあえず私は事件が起きる流れの中の彼の行動を確認する事にしました。

 

「あなたは集計が行われている時は食堂に居たという事ですが、間違いないですか?」

「あぁその通りだ。それに関してはシェイドも同じだけどな」


 集計を行っていた生徒会室には立候補者であるレイヴンさんとシェイドさんは立ち入りを禁止されていた。

 そして、この事件が起きる前までは彼らは仲間だったのだ。

 決着がつくその時まで一緒に昼食を取る事になんら不自然な所はない。

 

「その後、会長たちが合流したと……皆さんから離れたタイミングがあったと伺いましたが?」


 昼食時に集まった生徒会の四人

 他愛のない世間話をして息抜きをしていた姿は今の険悪な空気からは想像ができない事だろう。

 本来はそれこそが正しい姿だったはずだ。

 もしも、この時彼らがずっと一緒だったのであれば余計な疑いを持つことはなかったのかもしれない。

 何もなければ頭ごなしに疑うような事をする人ではこの学園の生徒会副会長は務まらないからだ。

 しかし、理由があれば別だ。

 

「……あぁ、俺は途中で先生に課題の提出を忘れている事を言われてな。教室に取りに行った。だけど、その間は先生が一緒に居たから一人になったわけじゃないぜ」

「なるほど」

「俺から言わせればシェイドのほうが怪しすぎる。あいつは用を足しに行ってただけだと言ってたけどよ、あの時は間違いなくあいつは一人になった。もしも生徒会室で何かをするタイミングがあった人間が俺たちの中に居るならあいつだけだ」


 彼の顔には苦しさが浮かんでいた。

 間に私達が入り、一度冷静になってしまえば怪しいとはいえ親しかった仲間を糾弾したという事実が心に重くのしかかったでしょう。

 しかし、だからと言って発言を撤回する事はしない。

 根拠がなく疑っていたのではない。

 彼の中では未だシェイドさんが最も怪しい人間であることに変わりはないからだ。


 そして、今までは伏せられていた事実が一つ私に告げられる。


「それにだな。飯食ってる時に会長が軽く世間話程度に話題に出したんだよ……」


 彼が告げたのは確かにシェイドさんへの疑いを深める物。

 

「“今はレイヴン君が優勢”だってな」

「ふむ……」

「負けてるならまだしも、そのまま行けば俺が勝つ。俺には投票結果をダメにする理由がねぇ。そうなると負けを黙って受けれる事ができない男は誰だって話だ。そうだろ?」


 少しだけ言いにくそうにしていたのは恐らくはカーリアン会長が言った言葉だから。

 発言の内容だけ聞けば選挙で戦っている二人にかけるには軽率すぎる内容。

 敬愛する会長に私達が猜疑の目を向ける事になったりしないだろうかと気にしているからだろう。

 私はそう思って彼に直接的に聞いてみる事にした。

 

「カーリアン会長を疑う事はしないのですか?第一発見者は会長です。一番疑うべき存在だとは思いますが?」


 推理小説などの鉄則ではあるが第一発見者は一番怪しく見えるものだ。

 それなのに彼には会長の事を一切疑っている素振りがない。

 信じていると言えば聞こえが良いがその信頼はあまりにも盲目的だと思える。


「あぁん?あの人がそんな事するわけねぇだろうが」

  

 そんな私の言葉にレイヴンさんは不快げに鼻を鳴らす。

 その目に若干の敵意が含まれた事を私は感じ取ることができた。

 優秀な貴族として感情を隠すことになれているはずの彼が仮面の下から微かだが漏れ出てしまった心の動きだ。

 それだけ彼はカーリアン会長に心粋しているのでしょう。

 

「大体な、理由が無ぇだろうが。投票用紙を水に投げ込むくらいなら最初から指名すりゃ良いんだからよ」


 面白く無さそうな彼から帰ってきた言葉は彼女への絶対の信頼。

 そして、何よりも会長にはやる理由も必要も無いであろうという事実を再認識させられる物だった。

 


 レイヴンさんとの話を聞いた私たちは続いてもう一人の当事者であるシェイドさんを生徒会室に呼び入れます。

 すれ違いで部屋を出ていくレイヴンさんと彼は目を合わせようとはしない。

 以前はもっと違う関係性だっただろうに一つの出来事でそれは崩れ去ってしまう。

 人間関係というのは複雑で脆いものだ。

 それは以前とは全く違う関係性を築いた私とエクサスさんのように良い方向に作用する事もあるが、このように悪い方向へ進むこともある。

 彼らを見てそんな事を思ってしまう。


(さて……まだわからない事ばかりですが……どうなる事か)

 

 やることは先程と同じ。

 果たして彼の口から出てくる状況というのはレイヴンさんが話してくれた物と同じかどうか。

 何か足がかりになる情報が出てきてくれれば良いのですが。

 そう思いながら彼に着席を促します。


「シェイドさん。では、あなたからもお話をお願いします。会長達が食堂で合流した後からで結構です」

「そこからで良いのですか?」

「えぇそうです。包み隠さずお願いします」


 眼鏡の奥に光る眼光は私を不機嫌そうに睨みつけています。

 彼の目には私はどう映っているのでしょうか?

 レイヴンさんから聞いた話では今のところ最有力の容疑者はシェイドさんだ。

 その疑いを晴らすための援軍だと思っているのか。

 それとも追い詰めるために呼ばれた敵だと思っているのか。

 恐らくは後者だと感じているのでしょう。


 しかし、私はレイヴンさんに呼ばれたわけではなく実際はリントさんの要請でここに居ます。

 そして、それに関してはカーリアン会長も納得済み。

 そうなれば彼は自身の心情はともかく私に協力するしかありません。

 その事をわかっているのでしょう。

 彼はため息を一つ突いた後に話し始めました。

 

「レイヴンから聞いたかもしれませんが私は食堂で時間を潰していました。途中で会長とリントが合流。食事が終わった後も少し雑談をしていました」


 ここまでは全員が同様に認識している。

 問題はここから先だ。

 

「その後、レイヴンが先生に呼ばれて離席しました。その間は三人で他愛のない雑談をしているとレイヴンが少し経って戻ってきました」

「その後にあなたは席を立ったと伺っていますが」

「はぁ……確かにそうです。トイレに行っただけでここまで疑われるなら我慢していたのですがね」


 何故、レイヴンさんが頑なにシェイドさんを疑うことになっているのかという大きな理由。

 それは彼だけが一人になったタイミングがあったという事。

 犯行が可能だった状況にあるというその一点だ。

 

「レイヴンさんはそれを理由にあなたを疑ったようですね」

「確かに途中で用を足しに行きましたよ。それは本当です。ですが、それだけで疑われるというのは心外ですね。そもそも本当に用を足しただけなのですから私は直ぐに戻ってきています。生徒会室に行って戻ってくるほどの時間はありませんでしたよ」

「確かに食堂と生徒会室はかなりの距離がありますね」


 食堂から生徒会室はそれなりに距離がある。

 この生徒会室は広い校舎の二階にあり、食堂は階段を降りて逆側の端まで行かなければならない。

 不可能ではないかもしれないが現実的ではない距離と言われれば反論することは難しいだろう。

  

「時間的に私が犯人であれば全速力で校舎の中を駆け抜けて犯行を行い、そしてまた全速力で食堂に戻らなければいけません。勿論、戻ってきた際には息を切らしてたりしていては疑われてしまいますね。汗一つかかず、息一つ乱さず平静を装って皆と合流する。そんな事を私が出来ると思いますか?」


 はっきり言って無理だろう。

 彼は文官志望でありエクサスさんのように体を日頃から苛め抜いて鍛えている訳では無い。

 いや、エクサスさんだったとしても無理だろう。

 人間であるならば全速力で走れば息は乱れるものなのだから。

 

 彼に嘘を言っている様子はない。

 ありのままの事実を告げているだけという印象だ。


「ん~……確かにあなたの言う通りですね。時間的に状況的にかなり厳しいと思います」

「ふんっ。そうでしょう。私が何度も説明をしたというのにレイヴンの奴は聞き入れようとしない。冷静になれないと人はああまで視野狭窄になる」


 胸を張り自分の主張の正当性に自信がある様子のシェイドさん。

 そうなると私が次に気になる所はシェイドさんがレイヴンさんを疑う理由です。


「では、あなたがレイヴンさんを疑っている理由を教えていただけますか?」


 彼は表面上は冷静に状況を認識しているように振る舞っています。

 そうであれば彼にはレイヴンさんを疑うだけの根拠がある。

 そうでなければおかしいのですから。

  

「あいつは途中で先生から呼び出されて席を外しているのは知っていますね。古代史の課題の提出を忘れていたから教室に戻って課題を提出しに行ってきたのだそうです。本当のことだと私たちも古代史の先生に確認を取りました」

「……それなら何が問題なのですか?」

「先生の証言。それが嘘だとしたら?」


 教室内を静寂が支配する。

 レイヴンさんが嘘をついている。

 その可能性は無くはない。

 だが、普通ならばこれは直ぐに発覚してしまう嘘だ。

 なぜなら、彼の行動を担保しているという教師に確認を取ればすぐバレる事だからだ。

 

「僕たちが見たのは古代史の先生が彼を呼び出した所までです。そして戻ってくるまでは間違いなく僕よりも長い時間がかかっていました。彼はずっと先生と一緒だと言っていましたし、それについては確認を取っています。でも、先生が口裏を合わせている可能性があるとは思いませんか?」


 先生がグルだったとしたら?

 ずっと一緒に行動をしていたという先生の証言そのものが嘘だったとしたら?

 そうすれば一番怪しくなるのはレイヴンさんだ。

 

「勿論、これが私の想像でしかない事は理解していますよ。ですが、頑なに私を犯人呼ばわりするレイヴンを見ていればあながち間違いでは無いかとも思えてきてしまいます」


 レイヴンさんが犯人の可能性もありえると彼は語った。

 しかし、その場合に一つ不可解になってしまうのは“何故”という部分だ。

 彼は途中経過では優勢だったと言うのだから。

 勝っている方が不正を働いてまで勝ちを捨てるのは


「途中までの開票結果としてレイヴンさんが優勢であり、あなたは選挙では劣勢だったともお聞きしましたが、それについてはどうですか?」


 私が出した情報に対して彼は微かに眉を歪める。

 

「……それは確かにそうです。会長が軽く巫山戯ながら言っていましたから」

「それを聞いて焦ったあなたが犯行に及んだとレイヴンさんは考えているようですが?」

「ふぅ……それは印象操作というやつですね。普段の会長の人となりを知らないあなた達が私を疑うように仕向けたんですよ」

 

 数旬言葉に詰まったように見えた彼だったがすぐに表情を戻した。

 他愛のない雑談でしかない。

 それは理由にはならない。

 そして、レイヴンさんがそんな雑談を使って自分を陥れようとしているのだと彼は言った。

 

「どういう事ですか?」

「会長はああ見えてユーモアもあって人を誂うことがあります。その会長があえて情報を出すという事はまだ趨勢は全く決まっていないと言っているのと同じという事です。そんな事は生徒会メンバーであれば全員がわかっていることです」

「悪意を持って人を煽るような事はしないと?」

「はい。ですから私はその話を聞いたときも特に何も感じはしませんでした。あぁまた会長の冗談が始まったなと」


 いたずら好きな会長が巫山戯ながら開票途中の情報を出す。

 その事がまだ選挙の行方がどうなるかわからない証左である。

 そう彼は確信しているようだった。

 

「それにですね。最初にも言いましたが私は負けたとしても結果を受け入れようと考えていました。負けそうだから焦る?そんな事はありえません」

「……」

「私は勝つ可能性も負ける可能性も等しくある事を承知で勝負を受けました。そして、それはレイヴンも同様だと思っていた……思っていたのです」


 こんな状況になる前はレイヴンさんとシェイドさんは良き仲間でありライバルだった。

 だというのに今のような状況になってしまった事への悔しさが彼の顔から滲み出る。

 私はそれが感情を表に現さない彼が出した隠しきれない想いに見えました。

 

「では、何故あなたはレイヴンさんが犯人だと思うのですか?」


 最後に私が発した問いかけに彼は冷静につまらなそうに答えた。

 その答えは私も馴染みのある回答の導き方だった。

 

「消去法ですよ」


 極めて冷静に。

 感情を込めることもせず淡々と彼は答えました。

 

「リントには一人になった時間がありません。会長には動機がありません。そして、私ではない。外部犯では無いのであれば誰が犯人かは自明の理というだけです」


 私から見ても彼は客観的に状況を見ているように思えるのでした。


 

 選挙の立候補者である二人の話を聞いた私は最後の関係者から話を聞く。

 彼女から話を聞いてこそ、この事件の全貌がわかる。

 それを私は感じていた。


「さっき話した事をもう一度、更に詳しく話せば良いのね?」


 私の前に座るのはカーリアン生徒会長。

 この生徒会の女帝。

 本来であれば彼女が収めることができたこの騒動。

 それを何故か私が担当することになってしまったわけですが、彼女はどういう気持ちでこの状況を見守っているのか。

 私は会長に先を促しました。

 

「生徒会室で集計作業をしていたという事は話したでしょう。その間リントは部屋の掃除をしてくれていたわ」

「そして途中で休憩に入った。その時に鍵を閉めたのはリントさんと確認をしていたという事でしたね」

「そうね。実際に鍵を閉めたのは私。リントが部屋を出て、その後に私が出て鍵を閉めたわ」

「ふむ……」

「その後にお昼を食べに食堂に移動したわけだけど、その時の事を話せば良いのかしら?」

 

 カーリアン会長も問題となっている時間帯がいつかという事はわかっている。

 鍵をかけて会長とリントさんが生徒会室を出た後、そして会長が仕事の続きをするために戻ってきて部屋に異変を感じるまで。

 その間に何が起きたかが重要なのだから。 

 

「うーん……食事が終わった後も少し話をしていたのだけど、その時にレイヴン君が席を外したわ。先生に課題の提出をしに行っていたらしいわね」


 これはシェイドさんがレイヴンさんを疑う根拠としている行動。

 古代史の先生に確認を取り、それが事実である可能性は高い。

 先生が嘘をついているというのは可能性としてはゼロではないが、ゼロではないだけで限りなく小さい。

 

「その後にシェイド君が用を足しに席を離れて……少しした後に戻ってきたわね」


 そして、これはレイヴンさんが言っていたシェイドさんの離席。

 この時間、シェイドさんは確実に一人だった。

 それはシェイドさんも認めている。

 しかし、生徒会室と食堂の距離を考えれば時間的な面でほぼ不可能と言って良いでしょう。


 どちらにも疑う理由があり、そのどちらにも無理がある。

 だが、この二つの空白により彼らはお互いを疑っているというのは間違いがない。

 

「その間、会長とリントさんは席を外すことはなかったのですか?」

「そうね。私とリントはずっと一緒だったわね。疑うならリントに聞いてみてくれて良いわよ」


 先の二つの事実は最初はそれぞれが小さい出来事だ。

 それ単体で疑われる要素になるというのは普通は無いだろう。

 だけど、それしか疑える要素が無いという今ならば十分な理由になる。

 彼らはそう考えているはずだ。

  

「休憩が終わったから作業に戻ろうと思って生徒会室に向かったわ。リントと一緒にね。その時も鍵は当然閉まっていたわけだけど中に入ってみれば票の束がなかったというわけね」


 三者三様の視点からの話には大きなズレはありませんでした。

 そして、私はこれもまた先の二人と同様の事実を確認させてもらう事にしました。

 

「レイヴンさんとシェイドさんに伺いましたが、開票の途中経過を彼らに伝えたと言う事ですが」


 それは開票結果を当事者に漏らすというあまり褒められた事ではない行為。

 外から見たカーリアン会長の事しか知らない私からすれば信じられないような行いだ。

 

「えぇそうね。私が確認した段階ではレイヴン君が優勢だったわ。でも、まだまだ票は残っていたし絶対的な開きがあったわけでもなかったわよ」


 だが、それを言われた会長は何一つ動揺することもなく笑顔で答えた。

 

「それを伝えたことが今回の犯行に繋がったとは思いませんか?」

「思わないわね。これは今まで培ってきた人間関係の上での話だからあなたにはわからないとは思うし、そう感じるのも当然よ。でも、私達の間では問題になるような事柄ではなかった。他のみんなもそう思っているはずよ」


 私が口にした言葉にも何一つ会長は揺れることは無かった。

 そこに篭められているのは一緒に過ごした生徒会のメンバーへの信頼だった。

 

「絆というと大げさだけどね。いつも同じメンバーで顔を合わせていれば暗黙の了解というものができあがるものよ」


 余人には伺いしれない繋がりがそこにはあるのだと会長は言っているのだろう。

 そう言われてしまえば部外者である私にはこれ以上何も言うことはできなかった。

 

「最後に……会長はどちらが犯人だと思っているのでしょうか?レイヴンさんか?それともシェイドさんか」

「さぁ?それは私もわからないわ。流石にこんな事をした犯人が彼らのどちらかだと確定していれば流石に私も糾弾しているわよ。不正を働いたならば正されなければいけないのだからね」


 澄ました顔でそう答える彼女の姿は毅然としていた。

 

「強く追求するのが当然の行動だとあなた達も思うかもしれない。でも、私は口を出さないと決めたわ。だってそうでしょう?」


 そして、彼女は自覚していた。


「私が結論を出したら、それが間違っていても正解になってしまうのだから」

 

 この生徒会において自分自身が絶対的な権限がある女帝だという事。

 それを嫌というほどに知っているのだと彼女の態度が物語っていました。


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