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ある日指輪を届けたら溺愛が始まりました〜貧乏令嬢が街で指輪を見つけたら、運命の人に出会った話〜  作者: 漆原 凜


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出かける

朝いつも通りパン屋まで歩いていると、また落ちている。何でいつもあるのだろう?本当不思議。拾ってあとで連絡しようと歩き出すとアレンさんが現れる。これも不思議な出来事の1つで、指輪とアレンさんがセットだ。拾ったら会う。


「エリィおはよう。朝から会えて嬉しいよ。」


コレまたお願いしますと指輪を渡す。セットなのは何故だろうと思いながらアレンさんをジッと見つめる。恥ずかしいから見つめないでよって照れている。それはいいが手を離して欲しい…指輪を渡した時にそのまま握られている。


「昨日はありがとうございました。とても楽しかったです。」


「次の休み一緒に出かけよう?休みいつ?」


「明後日ですけど…アレンさんいつお休みですか?」


「大丈夫!いつももっと休めって言われているから明後日休む日にするよ。迎えに行くね。」


「わかりました。ありがとうございます。楽しみにしてますね。」


じゃまた明後日ねと手に口づけをされる…何故?近くにいた騎士団の方も意外そうな顔で見ている。


「リズちゃん昨日デートしてたの?」


パン屋に着くと女将さんに聞かれて、デートでは無いです!と慌てて否定する。


「昨日来た騎士様と帰りに偶然会って、ご飯を一緒に行っただけですよ。デートじゃないです。」


そうなんだ。見たらしい人から良い雰囲気だったて聞いたから、てっきりそうなのかと思ったよーって。私は顔が真っ赤になる。


「まったく…リズちゃんは素直じゃないんだから。家族のためだけでなく、自分の幸せのために動いていいんだよ。男前で優しそうな人だったじゃないか。」


実は明後日一緒に出かけるんです…って話すと、うんうん良かったって喜んでくれる。まだ詐欺かも知れないけど、女将さんを悲しませないようにしよう。


ーーーーー


約束の日を目前にカサカサだった肌をマッサージをしたり、洋服を選んだりデートでは無いが意識してしまう。あんな素敵な人の横を歩くにはカサカサでは無理だ。


当日朝からドキドキしながら待つ。服装はこんなのでいいのか?何着かの中から選んだけれど正解がわからない。あぁ緊張する。どうしたらいいのか…落ち着かなくてずっとウロウロしてしまう。家族や使用人にも感染し何故か皆そわそわしている。


来られました!と侍女に呼ばれ、急いで向かう。玄関に行くと素敵な装いのアレンさんが両親と話をしていた。両親はアレンさんの手を握りながら頭を下げている。何の話をしているのだろうか。


「エリィいつも可愛いけど、今日はさらに可愛いね。よく似合っている。」


お待たせしましたと行くとアレンさんが微笑みながら褒めてくれる。アレンさんも素敵ですって言うとありがとうって手を取り、両親にお預かりしますと言って歩き出す。


「両親と何の話をしてたのですか?」


「エリィはとても可愛いですねって。」


そんな訳ないですよ!て怒ると、笑いながらまだ秘密。そのうちすぐにわかるよって言いながら馬車へ乗せてくれる。


「アレンさんって高位貴族ですよね?」


「んー…秘密。」


秘密ばっかりですねって拗ねる。アレンさんに鼻を軽く摘まれ可愛い顔しないのって、何故か私が怒られる。


「2人っきりで居るときに、そんな顔したら悪い狼に食べられちゃうよ?気をつけて。」


どんな顔だろうか…全くわからない。アレンさんは少し困った顔をしながら笑っている。しばらくすると馬車が止まり到着しましたと扉が開く。エスコートしてくれて降り、手を繋いだまま歩き出す。


そこは郊外の一軒家で、カフェになってるんだって案内をしてくれる。お庭に出ると凄く綺麗な花々が咲いていて、その中にお茶の用意がされている。可愛くて絵本の世界みたいで素敵。


「わぁ凄く可愛いです!連れてきてくれて、ありがとうございます!」


微笑みながら頭を撫でられる。すごく優しい顔をして撫でてくれるので抗えない。


「甘いもの好き?色々用意してもらってるんだ。好きなの食べて。」


「可愛い!食べるのが勿体無いです!」


喜んで貰えて良かったとアレンさんはお茶に口をつける。アレンさんは食べないのですか?と聞くと、食べさせてくれるの?と逆に聞かれる。あーんってすると少し耳を赤くしながら食べてくれる。弟にする気持ちでしたけれど、その時とは全然違って恥ずかしい。


「じゃエリィも」


はいってフォークに刺した果物を差し出される。断っても受け入れられず仕方なく食べる。恥ずかしさで真っ赤になるが、嬉しそうな顔を見ると何も言えない。アレンさんは気に入ったのか、何回もあーんって食べさせられる。やっぱり恥ずかし過ぎる。


少し陽射しがキツくなってきたので、中に行こうかって言ってくれ移動しソファーに座る。中のお部屋も凄く素敵で色々見てしまう。そしてアレンさんが真横に座り足を組む。


「あの…近くないですか?」


「嫌?離れた方がいい?」


「勘違いしそうで。詐欺かも知れないと自制してるのですが、それでもこんなにされると好かれてるのかと思ってしまうし。」


「勘違いじゃないよ。好きになって欲しくて、ずっと口説いてる。」


「…本当に?」


え?勘違いじゃないの?


「私は好きでもない子をご飯に誘わないし、わざわざ休みに一緒に出かけないよ。好きな子意外には時間を裂きたくない。」


「でも…私綺麗でも無いし手も荒れてる。あと数年で平民になろうと思ってるし…まだ会って数日ですよ?」


「私ね…実はずっとエリィの事知っていたんだ。初めて街に現れた頃不安気に街を歩いていて危なっかしくて見てた。不安でこっそり後ろからついて行った日もある。変な奴に絡まれそうになったら隠れて追い払ったりもした。」


「え?」


「お嬢って呼ばれながら皆と馴染んでいくのをずっと見守ってたんだ。エリィが頑張ってるのを私はずっと見てた。家族のため働いているのも知ってた。苦労を見せず明るく可愛い笑顔を見てて、好きにならない理由がない。」


「あの日が初めてだと…」


「きっかけが無くて声をかけれなくて、ずっと見てるだけになっていたんだ。好きな子には自分から話かけらけないって私も初めて知った。緊張してどうしていいかわからなくなる。初めて話した日も名前聞こうとしたら逃げられるし…やっとご飯に行けて話してみたらやっぱり大好きで。」


「…」


アレンさんは私の頬を撫でながら優しく笑ってくれる。そんな最初から見守ってくれてたなんて…全然気づかなくて恥ずかしい。


「平民にならないで、私と一緒に居て欲しい。」


「でも我が家はお金無くて…アレンさんにご迷惑がかかってしまいます。」


「頼ってくれて大丈夫だから。私は好きな子を守れない程弱くはないよ。エリィの家ごと守らせて?」


「嬉しいです。アレンさんが好きです。何も返せないけど、こんな私で良かったら一緒に居たいです。」


嬉しい!って抱きしめてくれ、そして唇が重なる。大きな手で首元を支えられ何度も重ねられる。苦しくなり逃げようとするが離してくれない。首元に噛みつかれ泣いてしまう。


「…嬉しすぎて止められなかった。ゴメン。」


やっとやめてくれ、抱きしめながら謝ってくれる。絶え絶えだった息がやっと整ってくる。アレンさんはもうあと少し我慢するって誓うと言っている。もうあと少しなの?


「アレンさんはご家族に反対されないのですか?」


「私の家族?全くされないよ。されたとしても、聞かないしさせない。」


「ご兄弟はいるのですか?」


「弟と妹がいるよ。今度家族紹介するね。皆怖くないし結婚しても住むのは別だから大丈夫だよ。」


え…っと詰まってしまう。何?結婚するよね?って焦るアレンさんは可愛い。


「一緒にいるつもりですけど、結婚って言われたら不思議な感じがしてちょっと戸惑っただけです。そうですよね…結婚します。」


今さら断られたら泣いちゃうよって口づけされる。頬を撫でながら嬉しそうに微笑む。


「…送りたくないな。連れて帰りたい。」


「あ、アレンさんそういえばコレ!お礼です。」


甘い雰囲気を出すアレンさんを遮り、刺繍をしたハンカチが入った箱を渡す。ありがとうと口づけをされ受け取ってくれる。


「嬉しい。一生大事にするね。」


「また刺繍するので汚れたら捨ててください。」


いや、捨てれないよって大事そうに箱に片付けている。使わない気だろうか。こんなに喜んでくれるのなら、また色々刺繍してプレゼントしよう。


「そろそろ帰りますか?」


嫌だってずっと抱きしめられている。意外と甘えてくるタイプみたい。もう一緒にお出かけできなくなりますよ?って囁くと、渋々用意をしだす。


「エリィまた一緒に過ごそうね?大好きだよ」


「はい!私も大好きです。」


手を繋ぎ馬車まで歩いていく。家まで送り届けてくれ両親に挨拶をして帰って行った。


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