その先
そして何と我が家の負債分はかなり減り財政難が軽くなった。実はあの災害には国からの支援策があって、我が家は上手く利用が出来ていなかったらしい。2年前からを遡り是正してくれ、資金繰りに当てられるようになり楽になった。
アレンさんが支援策もあるのにそんなに貧困するはずが無いと調べてくれ発覚し、お父様はよく調べず行っていたようで反省をしていた。迎えに来てくれたあの日可能性があると話をしてくれていたみたいで、ありがたいと皆アレンさんに感謝をしている。弟の学費も楽に工面できるようになり、私達家族は2年ぶりに落ち着く事ができた。
それでも私はパン屋で働くのが好きだったので、しばらく働かせてもらうことにしてまだ仕事に通っている。
「エリィ終わった?帰ろう。」
仕事のある日はアレンさんがパン屋へ迎えに来てくれ、家まで送ってくれる。悪いからって断ったけれど心配だし会いたいからといつも来てくれる。
「すっかり忘れていましたけど、最指輪見ないですね?」
馬車に乗り込みそういえばと話をする。最後に拾って以降見かけない。
「あぁ…凄く言いづらいんだけれど。簡単に言うと私の恋が実ったから終わったらしい。」
「え?」
「例の魔術師って私の知り合いなんだ。それでいつまでも話かけられずに悩んでるのを知っていて。ある日、お前の恋に終止符を打ってやると言ってアレを持ってきてくれたんだ…本当の運命の相手を導いてくれるって。意味わからないし最初信じられなくて、エリィが届けてくれた時には本当びっくりして。」
「…え?それは信じられないですね。」
「それで本人に返したんだけど、また拾ったよね?終止符を打たれるはずが、エリィが運命の相手だって奴に言われて。それでまた届けてくれて、そこからエリィも知ってる通り食事に誘ったり色々暴走しました。急ぎすぎたと反省してます。」
「私との仲が進んだから指輪は来なくなったって事ですか?」
「そうらしい。毎日箱に入ってて居なくならないみたいで実って良かったなって言われて…信じられないけど本当なのかなって思ってる。」
「不思議ですね…。」
「あれが無かったらまだ声をかけれてないなも知れない。ずっと見てるだけだったかも。」
お礼言わないとダメですねって手を繋ぐ。一応したけど、さらに追加でお礼しておくって嬉しそうに握り返してくれる。
「あ、そういえば今度お家にお邪魔するじゃないですか?そろそろ爵位を教えてください。気が気じゃないんです。両親も教えてくれませんし…。」
「どんな爵位でも嫌がらない?あんまり好きじゃなさそうだから嫌なんだよね。爵位で嫌われたくない。」
「嫌わないです。教えてくれない方が嫌いになります。」
「侯爵です!侯爵家の嫡男です!騎士はある程度したら辞めて家を継ぎます!」
頭を下げながら即座に答えてくれて、そんなに嫌われたくないのですか?と笑ってしまう。絶対エリィに嫌わたくないよって拗ねている。
「あぁ…なるほど。侯爵様なんですね…。」
「嫌じゃない?なるべく負担は減らすし、社交も最低限になるよう努めるので…どう?」
「高位貴族は少し苦手ですけど、アレンさんと一緒に居る方が大事なので受け入れます。色々頑張るので大丈夫です。」
「エリィ私と結婚してくれる?」
「はい!よろしくお願いします。」
エリィ大好きって抱きしめられる。意外とスキンシップ好きですよねって軽く言ったら、凄く我慢をしていてまだまだ足りないらしい…聞くんじゃなかった。もっと我慢してもらおう。
アレンSideーーーー
「あの子大丈夫かな?」
朝から街を見回りしていると、おどおどしながら歩いている女の子がいる。明らかに貴族で緊張しながら歩いていた。
私ちょっとついてって見てるよ。と同僚に告げついて行く。目的地に着いたようでホッと安心しているのがわかる。大丈夫そうだなって戻る。またキョロキョロしながら歩いているのを見かける。また用事なのかな?密かについて行くと同じパン屋に入っていく。
夕方パン屋から出てくるのを見つけ、まさか働いている?と思い常連に声をかけあの子の事を聞いてみる。
「あの子家のために働きたいらしくて、全く何も出来ないのにここのパン屋の夫婦良い人達だから雇ったみたいだよ。大丈夫なのかね」
ありがとうとお礼を言い、私もあの様子で大丈夫なのかと心配してしまう。そこから何回も見かけるようになり段々と緊張が解れ、楽しそうに歩いているのがわかる。
可愛い彼女は何度も声かけられそうになるが、その前に私が入って未然に排除している。何かあれば危ないからと思い、勝手に見守り続けた。同僚達もあの子来たよって教えてくれ、私の見守りは騎士団内では周知のモノになっていた。
「ストーカーか!どれだけ見てたら気が済むんだ!声かけろ!!」
「うるさい。声かけられるならとっくに話しかけてる。」
友人に責められるがどうしても声をかけれない。こんなダメな奴と自分自身初めて知った。これ貸してやると指輪を渡される。
「お前の運命があの子なら出会える。違う相手が運命ならそっちへ行け。」
は?意味がわからない。魔法の指輪らしく相手の元へ行くらしい。そして必ずその相手から戻ってくると。よくわからないがポケットにしまう。
翌日ポケットに指輪が無い。無くしたと思い探すけど見つからない。街を巡回しているとあの子が近寄ってくる。これ拾いましたって見たことのある指輪…。私は泣きそうになるが我慢をして名前を聞くが逃げられた。
返ってきた。え?本当?急ぎ聞きに行くと良かったなって。納得は行かないがあの子と接点が持てただけで嬉しく思う。しかしまた持ってきてくれる。え?いつポケットから消えた?ついに名前を聞く事が出来て死ぬほど嬉しかった。
これを機会にパン屋に会いに行き、もっともらしい理由を告げまた私に会いに来てもらえるように話す。その日最大のチャンスがきた。帰ろうと騎士団へ戻っていくと彼女がまた指輪を渡してくれる。食事に行かないかと聞くと了承をもらえた。急ぎ支度をし彼女の元へと走る。目の前で笑う彼女は可愛くて堪らない。
彼女は休みに違う仕事をするつもりだと言うが、私は必死で阻止して誘う。いくらでも私が出してあげるのに断られる。それでもお願いします!と頼み込み一緒に出かける権利を獲得できた。情けないが出かける事の方が重要で私のプライドなど彼女の前では無いに等しい。
そんなに余裕が無いのもおかしいと思い調べると、支援策の手続きが出来ていない?詳しく調べ手続きを進める。
出かける日彼女の両親に手続きを進めている話をすると、涙を浮かべ感謝をされた。これで反対はされないだろうと打算的だったのは彼女には永遠に秘密。
カフェで気持ちを受け止めて貰えた。可愛すぎて止まらなかったのは申し訳無かったが、あそこで止まれた自分自身を褒めたい。本音で言うと食べてしまいたかった。
指輪を返しに行く。最近無くならないんだけどって渡す。
「良かったじゃないか!上手くいったんだな!」
「え?そうだけど…だから無くならないのか?」
そういう事だと言い指輪を片付けている。ありがとうと抱きつくと、そんなのは彼女だけにしてくれって剥がされる。感謝しても足りないくらい感謝している。
その後彼女と約束した追加のお礼をするために、珍しい材料を持って行くと喜ばれ幸せになれよって言ってくれた。実は奴も前に指輪を使ったのだと聞いたのはまた別の話。




