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逆転世界における現人神様の箱庭生活  作者: けちゃらー第一号被験者
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エテリアル王国王都王宮?視点


王冠を被った狼獣人の老女と、若い女性狼獣人、中年の女たちが円卓を囲んでいる。御前会議にしては参加人数が少なく、密談にしては多い。こんな夜中に集まって、こそこそと話し合いをするなんて。

しかも話し合われているのは、明日の天気や食卓の内容ではない。戦争による、戦争のための会議であった。


そう、会議の目的は戦争を起こすこと。領主の力を削ぎ、中央集権を図りたい若い第一王女が発議したものだ。

穏健派の次代は過激派になると言われるが、まさに典型的な過激派に育った見本である。だが、それなりにしか頭は回らないし、周りも似た考えしか持たなかった。


「ルーベリア帝国から、親書という名の脅迫状が届いた後、皆も知っての通り帝国から外務大臣が会談を持ちかけて来たので、受けてやった」


勿論、会談の時に煽ったら、逆に痛いところを突かれて引けなくなったのは、あんたじゃん。


国王陛下も分かっているが、何も言えないでいた。この娘は手段を選ばないと知っていて、親として甘すぎる性格があり、長女は過激派、次女は内政派、三女は裏で上二人を蹴落とし、権力が欲しいと画策している。


周りからは、怒りの声が漏れ出る。ここにいるのは、国王陛下というより、次期国王候補にすり寄る派閥の人間が多く、領主による富の集中で自分たちも甘い汁を吸いたいのだ。


あわよくば中央集権が進めば、自分たちは無理でも子や孫などを重要ポストに就かせたいと画策をしている。金と権力に集るのは、甘い蜜に集まる虫のようだ。


「そんな事を、認められる訳ありません!脅迫で主権を犯してくるなら、こちらは武を辞さないです!」


そういうのは、がたいがよく顔に傷がありピシッとした軍服を纏った女性だ。帝国や魔国との戦争も経験し、負けた身から這い上がった生粋の武闘派将軍様だ。


一度や二度、敗戦を経験しただけでは心に灯った憎悪は消えず、いつしか執念となっていた。周りも、それに賛同する声が多いが国王としては苦い顔をしたままだ。

この国王陛下は、決して名君ではないが敗戦から荒廃した王国を立て直した、立派な立役者だ。その過程で領主に力を与えてしまった犯人でもあるから言えないでいる。


第一王女に軍官の派閥が付き、文官派閥は第二についてお家争いの一歩手前な状態だが、陛下がまだ元気であられる事こそが唯一の救いか。


「かねてより兵糧や武具を密かに集めさせています。大々的に兵を挙げるには、時機尚早ですが今回の件は国権を無視して、許しがたい!ならどうすればいい?」


「会談を持たないのは、下策では?持って恥をかかせ、内外に帝国は弱くなったと見せれば、気運も高まりますしもし会談が失敗してもどうとでも出来ましょうぞ」


「最初から失敗を考えるのはいかがと思うが、あらゆる事を考えるのは大切な事だ。どうとでもとは?王家が泥を被っては領主やら高位貴族どもが、更につけあがるだけだぞ?」


「今回の会談は、とある街を指定して来ていると、聞き及んでおります。そこに入れるだけですと責任は王家だけになってしまいます。ですので領主派閥から、誰かを入れさせれば責任は按分されます。もししくじるような事があればその場で、即刻責任を取らせれば、攻撃の材料ともなります」


静まりかえる。都合が良いことだけを考えるのは、人の性であるから、仕方ない。それを指摘する人間も別の考えかたをする者もいないので仕方ない。

そこからは、生贄の羊を誰にするのか、敵対派閥にどう伝えて行くのかと会議を進めて行くが、破滅か自殺かそれとも大躍進かは誰にも分からない。



躍進しようが、没落されてもどうでもいい。この職場の王城さえ消えてなくならないで、あたしの結婚が決まるならば。


「ってな話をさー、昨日?今日の夜中ずっとしてんの!紅茶やら豆茶やら、軽食を出せとかさ眠いってのにさー。寝ずに仕事してやっと休めるから飲みに来たら、あんたがいてラッキー」


「そうかーおつかれなんやねー。私も、あがりで疲れたから、飲んで忘れちゃおう!」


「貴族家出身でも、家督も継げないし部屋住みでもないしある程度したら嫁に行こうと思ってたのにこんなんじゃ貰い手どころ、見繕うどころかさぁああ……」


「あー、ほら、飲んでしまお?ほらほら注ぐから飲んで飲んで。それでどんな人いたん?」


「そらさーお城のえらーいひとよー……。第一王女様の集まりってやつ?私なんか茶汲みだけよー……」



「あー……そら面倒だわー。軍人の偉い人って話聞いてくれないし、不敬すると首チョンパだもんねー」


お酒飲んでると面倒くさい会議も婚期も忘れられる。この人話が上手くって、話すのが楽しい。

愚痴を言っても、嫌な顔せず、話を聞いてくれて、お酒奢ってくれたりする。

けど、この人、なんの仕事してんだっけ……。たしか……風俗の案内だっけ……?あー、酒飲んで愚痴ってスッキり。けど疲れた体は火照る。この後この人誘って夜の蝶に会いに行こうか。


紹介された娼館の、お気に入りは線が細く、サービスが良いのだ。頼めば、ニ回戦も頑張ってくれる。上になってくれて腰も振ってくれる。その上枠買して同衾すれば、ピロートークまで付き合ってくれて寝起きにも一発できる。

妄想してたらしてたら濡れて来た。誘ってダメなら一人でも、行こう。


「この後、夜の蝶に、会いに行きますけど、一緒、行きますぅー?」


「あの店か?行くか。なんだ、はまったのか?」


「あんたに、紹介されてからあの男に嵌っちまってな。それなりの金額で高級店と同じぐらいサービスしてくれてな。もうあたしのお気に入りだ」


「そうか。それは紹介して良かった。厠に行ってくるから、これで会計しておいて。釣りは足しにしてくれ」



そういうと、気前いい額を渡してきて厠に行ってしまう。釣りは懐にいれるが気前が良いやつで好きだ。


「酒と、男に、ご注意、くださいってな」


?なんか、ぼそっと、言ってたけど、酔いが、回ったか……。


男と女、二人密室なら・・・。

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