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逆転世界における現人神様の箱庭生活  作者: けちゃらー第一号被験者
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親心とイタズラ心

?視点


夜の静かな執務室にて。


「それで今頃、我が息子は周りに心配され、連れ出されてあちこち回っている頃かね。これが妻の座を巡る争いの幕開けだというのに、本人はそのゴングが鳴ったことにも気づいていない。男として危機意識に欠けている。いかがなものかと思うが……周りがそう育てたからな」


「貴方様の若い頃の経験からですか?それとも、親心からですか?」


そう尋ねたのは、長年ずっと一緒にいる奴隷だ。彼女の首には奴隷の首輪が付いている。


「親心といったところだな。いくらでも手を汚し、相手を貶めて蹴落とし、子をなしたというのに、何もかも初めてというのは堪えたからな」


「初めての時、貴方様は夜、一人で枕を濡らされておりましたものね。その後、見事に傷心をハントされましたし」


ほんと、容赦がない奴だ。その通りで、見事に包囲され、逃げ道もなく貪り食われた。


「それで、この後はどうなさるのですか?民を他国に攫われたままなんて、許されませんよ?たとえ私が許したとしても、国民も貴族も誰一人として許してくれませんよ?」


「そりゃ、余も許さんさ。だが、攫われた民には悪いと思うが、時期がちょうどいいからこそ、あいつの教材になってもらう。そのために第五と第九に命じ、種を蒔いた。小さい頃から教育してきたんだ。これで気づかないなら、今度は魔国に留学だな。ここからどんな作戦を立てるのか、楽しみでな。各所には、相談を受けたら全力で協力してやれと伝えてある」


「魔国って……。あそこで学ぶのは、力こそ全てという考え方ではありませんか。起きていようが寝ていようが襲撃され、何をしてでも勝たなければ、本当に奴隷となってしまいますよ」


あそこの上位貴族たちは必ずしもそうではないが、貴族という文化そのものが違う。力こそが全て。それが絶対の理なのだから仕方がない。


その理が壊れる時は、この大陸そのものが壊れる時だろうな。


「まぁまぁ、楽しそうなことで。皇太子の周りには、先代の頃もそうでしたが、貴方様の代も御子息の代も、尖った面白い方が集まりますものね」


「何も答えないのが答えだ」


「そう言って、期待しているんじゃありませんか。ふふっ」


俺は返事をせず、書類を片付ける手を止めた。第九から届いた報告書に目を通す。


「にしても、我が息子や周りの報告を見ると、歴代の皇族の中でも、女たらしっぷりが酷いと思わないか?」


「確かにそうですね。普通の男性なら、女性に触れたり、手を繋いだりすることさえ恥ずかしがるものですものね。それが頭を撫でるやら、酒を飲ませるやら、あーんをするやら……。稀に見るたらしですよ。

まるで、貞操を守りながら水商売をしているのか、結婚詐欺師の男が高位貴族の身分を手に入れて好き勝手しているのか……。ですが、これには天然な性格に加えて、神まで絡んでおりますよね?」


「それがな……。手を加えるよりも、天然のままのほうがいいらしい。やり方は教えたが、積極的に磨くことなく放置しているそうだ。天然に加えて、本質的には超いたずら好きなところがある。誰にでもフランクに接するしな。

お前もやられたことがあったろ?おやつの盗み食いがバレて、メイド長に怒られるのが嫌だからって、スカートの中に隠れ、売られる前に足にしがみついて上目遣いでウルウルしたことがあっただろ?」


「ええ。最初はアヴィエラのところにでも隠れるのかと思っていましたが、まさか私のところに来るとは思いませんでしたよ。メイド長に引き渡しましたけれど。

あの行動には驚きました。あんなに自然に近づいてきて、私のスカートを持ち上げ、その中に隠れるなんて」


その話を聞いた時は、大爆笑してしまった。こいつはいつもむすっとしていて、あまり喋らない。獣人の中でも背が高く、目つきも鋭いため、大人であろうと子供であろうと怖がられるのだ。

下から見上げれば余計に怖いはずなのに、あいつは怖がることなく、彼女を隠れ場所に選んだ。


「誰に対してもフランクに接し、怖がることなく付き合えるなら良いことだ。女難に転じなければいいがな。学校に入った時は、女共にビビっていたくせに……」


「このまま行けば、女難は間違いなしですよ?たらしっぷりの報告を見る限り、普通なら男性が奥手で、女性のほうからアタックするところを、あの子の場合は立場が逆転しています。

女性が慌てているところに自然体で踏み込まれたら、刺さる娘には刺さって、キュンキュンした挙げ句、どっぷり堕ちること間違いなしです。

貴方様、正妻はともかく、側室や妾については何も口出しする気がないんでしょう?」


「もちろんだ。たらし込んだからには、枯れるまで搾り取られなければな。若くして腹上死するのを避けるため、街での精力剤の買い方でも教えておくか」


「それは親心なんでしょうかね?」


「親心だとも」


「……本当に?」


「余は明日、のんびり休みたいのだ。だからこそ、今夜のうちに仕事を片付けるぞ」


「話を逸らしましたね?」


静かな執務室に、夜更けまで二人の会話が続いた。


コヤツの時は嫁騒動が酷かったのじゃ・・・。政治が荒れに荒れて、嫁じゃけど公式行事には参加するが政治には一切の関わりしないと落とし所を決めるまで掛かったし、子は出来ぬしで・・・。

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