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逆転世界における現人神様の箱庭生活  作者: けちゃらー第一号被験者
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ミニスカメイド狼ちゃん

アヴィエラ視点


夕食の後、報告会に参加することになった。私は恥ずかしい服を着せられたままの参加だ。フリフリのメイド服に、髪型もツインテール。

どうしてこうなったのかは……考えたくない。



「私は痴女ではございませんので、お気になさらないで下さいませ」


先にそう宣言しておく。誰も何も言っていないのだが。それでも報告会は始まった。



「報告……二つ」


ルミナがいつもの調子で口を開く。



「一つ目。連れ去られた人たちの行き先……追跡完了。完全ではないけど……ほぼ特定」



殿下が頷く。



「どこです?」



「エテリアル王国……国境から少し外れた町。宛先……領主、もしくは領主に近い貴族」


それだけなら、行方を追うべき場所が分かったという話だ。問題は、次だった。



「二つ目。下手人……領主以上の子飼い」


空気が変わった。つまり、単なる犯罪者が勝手にやった事件ではない。領主側の人間が、何らかの目的を持って人を攫っていた可能性が高い。しかも、その先が領主自身に繋がっている。



「……で、どうする?」


殿下が周囲を見る。



「当然……無視」


ルミナ様が即答した。



「証拠隠滅っす」


ラクトーシャ様も続く。



「罪を並べて、正式に非難」、「その上で、正式に開戦します」


さらに別の声。



「……お前ら、それだけか?」


殿下が苦笑する。しかし、誰も冗談を言っているわけではない。無視する。証拠を消す。逆ギレ。それでも駄目なら、戦争の理由にする。

やること自体は、もう決まっている。問題は、そのための材料と戦力だ。



「ここで尋ねるべきではないが、相手の軍事力は?」



「町の規模としては……今いる領都より小さいっす。特に有名な町でもない。主な役割は、街道の中継地点」


ラクトーシャ様が答える。



「少ない、百人未満。常備兵を多く抱えることを嫌う。必要な時だけ傭兵を雇う」


答えたのはゴンドフィナ様だった。



「傭兵って事は金はあるのか?」



「そこそこ、ただし、使い方が下手で博打打ちです。」


ゴンドフィナ様は淡々と答える。



「下手くそとは?堅実に街を運営すれば、潤うだろう?」



「帝国の銀行を真似して、自分の領地にも銀行を作ったが成功は3割程度」



「7割失敗してるじゃないっすか」


ラクトーシャが突っ込む。



「金庫として成功。それと手数料を安めに設定した。それと……預金者が死亡した後、引き取り手がいない預金を領主が回収する仕組み」



「それは……」


私は思わず眉を寄せた。帝国の銀行制度は、神様から与えられた知識を基礎としている。帝国が管理し、預けた財産を保証する。少なくとも帝国では、それが当たり前だ。

それを真似した上で、自分たちに都合のいい部分だけを利用している。


「信用できませんね」、「信用できない」


ゴンドフィナ様も即答した。



「ただ、金を集める能力はある。だから傭兵を雇う程度の資金は持っている」



「なるほどな」


殿下が腕を組む。



「じゃあ、私兵は少ない。でも必要なら傭兵を集められる」



「そうですね」



「国境を越えて奇襲を仕掛けることは?」



殿下の質問に、ゴンドフィナ様が首を横に振った。



「難しい、国境を越えるのに捕捉されてしまいますね。」



「……確かに」



「侵攻すれば、正面から町を攻めることになる。こちらから攻め込んだ場合、敵の兵だけじゃない。背後からこちらを攻撃される可能性もある」


つまり、戦争を始めるなら、それなりの覚悟が必要になる。私たちが今いるのは帝国領。相手は外国。こちらから兵を出せば、それだけで外交問題になる。



「面倒な話だ、国内で終わるなら簡単なのにな。」



「ほんとっす。」


今回の事件をただ解決するだけでは足りない。連れ去られた人たちの行方。実行犯、領主との繋がり。そして、その領主がどこまで関与していたのか。そこまで揃えて、ようやく判断できる。



「今夜……尋問……もう……少し……詰める」



「明日、さらに確認。そこで対応を決めて、皇都へ戻る事になります、」


ルミナが予定を、ゴンドフィナが捕捉している。



「御前会議、ですね」



「そうなる」


殿下は少し考えてから続けた。



「ただ、すぐには出ない。二、三日は休む。護衛隊、教練隊、には帰還準備をさせておいてくれ」



「了解っす」



「承知しました」


それで、報告会は終わった。政治的な話は、一旦ここまで。後は明日の確認を待つしかない。部屋に戻ってからは、皆それぞれ休むことになった。


私はメイド服のままだった。……なぜだ。


それはともかく。夜が深くなっていく。殿下も休まれた。

けれど。やはり、どこか陰がある。以前よりは普通に話している。食事もする。


笑うこともある。それでも何処か陰がある。ルミナとラクトーシャとの約束を出汁に、楽しんでで貰おう。

目的は私というより、ルミナ様、ラクトーシャ様、何より日常をミー様に楽しんでいただくため。


今は、それを考えよう。


尻尾帰ってこんかのう・・・。巫女のカリスティアは普人族の鬼じゃから、オシオキしか出てこんのじゃ。

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