暗いクライ部屋の底で ※飛ばしても問題なし
今回のエピソードはかなりグロいです、抜かしても問題ないです。
※拷問
暑い中、馬車で移動する。空気がどんよりした車内では、ルミナから「中では自分の指示に従うよう」と細々と説明を受けた。そうして説明を聞いているうちに、目的地へ着いた。
商会の中へ入り、地下へ続く長い階段を降りていく。階段の先には扉がある。外からも中からも簡単には開けられないよう、厳重に施錠されている。その横と斜め後ろには二か所の銃眼があり、そこから監視されている気配を感じた。
手続きを済ませ、さらに長く暗い通路を進む。やがて、会議室へ通され武器、暗器、全て置いて房に向かう。
この先には三人の捕虜がいる。三人とも壁の鎖に足、手、首を繋がれ、後ろ手にされた状態で強制的に立たされているらしい。目隠しと猿轡もされている。俺が進めるのは白い線まで。
それ以上は近づかず、何かあっても、そこから先へ近づかないよう厳命された。部屋にはルミナの他に四人いる。全員が覆面姿で、番号で呼ぶように言われた。俺は六番らしい。
「六……行きます。離れない……迷う……白骨化……困る。武器……持ち物……全部……さっきの……とこ……置いて……私だけ……革メイス持つ。アヴィエラは……扉の外……立哨……待ってて」
魔石灯に照らされた廊下を、右へ、左へと曲がりながら進む。鉄格子を開け、さらに歩く。やがて、鉄格子と鉄で補強された扉がある場所に着いた。そこには、覆面姿の立哨が立っている。
武器は置いてきたのだが……。なんでルミナだけメイスだけ持ち込むんだ?
「話……しに来た……開けて。六……必ず……指示……従うように。中から……開かない」
そう言うと、重々しい扉が開けられる。魔石灯が壁側を煌々と照らしている。こちら側が逆光になるよう、配置されている。その光の中に、顔に袋を被せられ縛られた三人が横一列に浮かび上がっていた。
三人は扉が開いた音に反応して身じろぎする。何かを訴えているようだが、猿轡をされているため何を言っているのか分からない。
「見せしめ……きた。うるさい」
ルミナが呟く。そして、いきなり左側の女性へ近づき左足の指へメイスを振り下ろす。鈍い音が響き、女性の身体が大きく震える。くぐもった悲鳴が上がる。
横の二人も、がなり立てるように叫び始めた。
「静かに……。次……お前」
今度は真ん中の右膝を殴る。膝を砕かれたらしく、立っていることもできなくなる。それでも鎖によって強制的に立たされ、悲鳴を上げ続けている。
「おまけ」
最後に、一番右へメイスを振り下ろす。一度では終わらず、二度。鎖骨が折れたような音が響き、悲鳴が上がった。ルミナは何事もなかったかのように俺へメイスを渡してくる。
なんでメイスを持ち込んだのかと思えば……。これは革製だが、中には砂か砂利が入っている。加減がしやすく、皮膚も裂けにくいようになっている。
確かに、左側の奴以外は皮膚が裂けていない。骨は折れたみたいだが。
「二、三、全員……椅子に……座らせて……腕固定。六、メイス……持って……親指締め器……全部……あと……長テーブル」
誰も何も言わず、指示された物を準備していく。長テーブルには腕を固定するための金具があり、動かせないようになっている。
親指締め器は、小さな万力のようなものだ。締めると、上下の鉄板が少しずつ近づいていく。
ゆっくり、ゆっくりと締まっていくため、想像するだけでも痛みが伝わってくる。俺がやられる側なら、貴族らしくサックリ殺って欲しい。
「お前達……質問……。うるさい……まず……これから」
そう言って、猿轡はそのままに、全員の左手親指へ締め器を装着する。そして、少しずつ締め上げていく。痛みを感じ始める程度で、一旦止めた。
次にルミナは、右側の女の締め器をいきなり締め上げる。苦痛の声が漏れる。次は真ん中の奴かと思ったが、ルミナからメイスをと言われ、渡すと右手を殴打する。指がすべて、ひしゃげている。
見ているだけで痛そうだ。手が終わったと思えば、今度は座った状態の右足へメイスを振り下ろしている。大丈夫かな、これ。
苦痛で喋れないんじゃないか……?
「質問……お前……どこの……だれ?答え……次第……優しく」
そう言って、右側から袋と猿轡を外す。
「だ、誰が言うか」
「わかった……」
猿ぐつわをすると締め器を再度締め上げ、苦痛の悲鳴が上りさらに、真ん中の奴にも同じように右腕にメイスを振り下ろした。答えても、たぶんやられるんだろうな……。
「次……お前……同じ……どこの……誰?六……ペンチ……勿体ない……けど……塩……針金ブラシ……用意……」
左側の猿ぐつわを外させながら聞いている。
「……。ぷっ」
おや。左側は、だんまりを決め込むようだ。唾まで吐きかけられた。まだ反骨心が残っているようで、ある意味では良かった。
「そう……なら……聞かない。もう……ずっと……黙って……喋るな」
ルミナは全員の締め器をさらに締め、小指にも装着させていく。地獄のような光景を、いつまで見せられているのか。その間にも、全員が猿轡をされたまま、質問もされずに処置が続いていく。
左手の爪はペンチで剥がされ、指先は痛々しい状態になっている。そして、ついには塩壺まで目の前に置かれた。
「もう……一回……聞く」
左側の奴に問いかける。だが、まともな答えは返ってこない。
「盗賊で、あそこで稼いでたんだ。許してくれ」
「嘘……よくない。お仕置き……静かにして」
全員の指に塩が塗られる。そして、爪を剥がされた部分を針金ブラシでこすり始めた。猿轡をされているせいで、全員の悲鳴はくぐもっている。
それでも部屋いっぱいに響き渡り微かに鉄錆の匂い、尿の匂いが混じり合う。
指を押しつぶされる痛み。爪を剥がされた痛み。そこへさらに塩を塗られても、まだ強情を張れるとはすごい。てか、真ん中のやつには聞かないのか。
確か、こいつがリーダーだったはずだ。一度も猿轡を外して、話を聞いていない。そうして全員がぐったりしたところで、桶に汲んだ水をぶっかける。意識が遠のいていた者も、これで覚醒する。塩も流れるので、一瞬だけ、三人に安堵が訪れたように見える。
だが、それも長くは続かない。また締め器を締め、塩を塗り始める。今度は何も聞かない。
ただ痛めつけるだけで気絶はさせない。意識を失わせない、ぎりぎりのところで止めている。
「六、火鉢に……鏝入れて……焼いて……止血。お前達……気絶……ダメ」
火鉢の炭が少なく、少し時間がかかる。その間にも処置は続き、悲鳴が上がっている。やがて、鏝が真っ赤に焼けた。
すると、全員の目隠しをわざと外す。そして、焼けた鏝を目の前に突きつける。これから何をされるのかを見せつけられ、三人の緊張がさらに高まったようだ。その後、再び目隠しをする。
そして、爪を剥がされた指先と出血している箇所を焼いて止血する。肉の焼ける匂いと、悲鳴が響く。止血を行いながらも、質問はしない。
時折、ルミナが思い出したかのようにメイスを振る。無事な膝だろうと、すでに傷んでいようと構わず、全員の膝へさらにメイスを振り下ろしていく。
ここまで来ると、尋問というより、生かしておくための管理に近い。壊しすぎず、殺さない。意識も失わせない。その範囲で、ただ苦痛だけを積み重ねている。
「次……六……魔石……気をつけて……用意……強制肉体強化。二、三も準備」
強制肉体強化って……。足を攣ったことがないだろうか。あれは筋肉が収縮して硬直し、動けなくなる。それでも勝手に筋肉が収縮し続けるから、非常に痛い。それを強制的に起こさせるのだ。
魔石によって、本人の意思とは関係なく筋肉を収縮させ続ける。筋肉が収縮すれば、場所によっては骨まで動く。つまり、今までやってきたのって……。
「まず……お前の指……やる。口……開いたら……太もも……足も……やる……黙ってて」
二番と三番が右側の傍につき、暴れてもいいように立つ。右手から腕にかけて、強制肉体強化を施していく。
折れた指や手掌部まで強制的に握り締められるため、くぐもった悲鳴が上がる。
「うるさい……連帯」
そう言って、全員の腕と足へ、強制肉体強化を施していく。腕と足なら、収縮しても生死に直結しないものな。黙って、強弱をつけながら筋肉を収縮させ続ける。全員に魔石による強化が施され、ぐったりしてきたところで、次へ移る。
「疲れた……休憩……重り……抱かせる」
そうして用意されたのは、ギザギザの凹凸がついた重りだった。椅子に縛られ、手をテーブルへ固定されたままの三人。その膝と手の上に重りを乗せ、固定する。しかも、椅子の座面まで平坦ではなく、ギザギザしている。
見ているだけでも辛そうだ。
ここまで来ても、ルミナは三人を殺そうとはしない。質問も、ほとんどしない。ただ、生かしたまま苦痛を与え続けている。その目的が何なのか、俺にはまだ完全には分からない。
「お前達……絶対気絶……させない……寝かさない……死なさない……喋らない……いい。代わり……楽しんで。これ……挨拶……代わり……これから……もっと……仲良く……私……頑張る。
まだ……使ってない……器具……いっぱい。二、三、気絶……したら……起こして……呻いても……黙らせて。器具……徐々に……追加。
六、扉……開けて……貰って」
どす黒い声が、三人を煌々と照らす部屋に響く。
誰も応えることはない。
その声だけが、暗い地下室の中へ消えていった。
大人の階段をまた一歩と登っておるの。じゃが、こちらで言う水攻め、箱に入れ、感電させるのは共通か・・・。




