↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
逆転世界における現人神様の箱庭生活  作者: けちゃらー第一号被験者
17/53

狼っ娘の振り返り

 アヴィエラ視点


 私は奴隷だ。主に仕え、主の剣として盾となり、最初で最後の友人になるように身も心も教育をされてきた。今回、仕える主様が皇太子と正式に発表され、記念すべき第一号公務をなさることとなった。


 奴隷、それも違法奴隷の誘拐の摘発だ。なんの因果か、私も元は違法奴隷から解放された母より生まれた子で、父を知らない。

 解放された母は身寄りや後ろ盾が無いため、身ごもりながら皇城の下っ端で働いていたが、私を生んだ時に亡くなったそうだ。


 それで皇太后様の出産が近いということで、皇族付の奴隷として養育されることとなった。奴隷と言っても、五年から十年ほど働き、十分な貯金が出来ていれば、後は本人の意思で平民となることが出来る。


 だが、私はこの世界しか知らないし知りたくない。


 奴隷でいたい。私は一生をかけて殿下、ミロ様の奴隷であり続ける。



 馬車襲撃までは順調であった。このまま何事もなく、私と騎士団で片付けられると思っていたからだ。


 だが、私の予想とは大きく外れた。あろうことか、護衛が護衛対象を鉄火場に投げ込むという暴挙をしたためだ。結果、身体に傷が多少付き、後遺症もなく、傷も残らないぐらいで済んだ。


 だが、精神面は分からない。私が初めて人を殺したのは山賊だ。農民か傭兵かは知らないが、街道で野盗が強盗を行っていると連れて行かれ、その場で切り捨てた。

 その時は大いに落ち込み、二日ほど飯を食えず、夜になると殺した相手の死に顔が浮かんできては眠れず、最悪な状況だった。


 殿下にも醜態を晒した。殿下もいつも通りの訓練が発揮できていれば、なんの事はなかっただろう。だが、初めて向けられた悪意が入り混じった殺意に、腰が引けていた。


 神様と帝国の契約だからしょうがない。それは理解している。だが、もっとやり方があるのではないか。性急すぎるのではないか。


 そう考えてしまい、イライラしてしまう。私は主より先に死ぬために、教育されてきた。なのに、盾になれなかった。


 護衛として来ていた者たちの思惑も見抜けなかった。もっと早く、相対した奴を倒せていれば。あれやこれやと色々考えてしまう。


 内心、苛つく理由も、焦る理由も理解できる。だが、受け入れられない。ずきずきとした手の痛みだけではなく、この心をドス黒い何かが焦がして侵食していく。首の奴隷の証である首輪がなければ、私はどうなってしまうのか……。


 主がいない私など……。


 あぁ、ミー様。

 早く、はやく目を覚まして私に、『ヴィー、おはよう』とお声をかけてください……。



アヴィエラの尻尾気持ちいいのじゃ。カリスティアもお気に入りで、耳もふわふわらしいが我は触らせて貰えない・・・。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。