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早朝の朝食会と、女王からの呼び出し

「……う、ん」


まぶしい朝の光が天蓋付きベッドの隙間から差し込み、僕の意識をゆっくりと浮上させた。


体を起こそうとして、急激な重みと柔らかい感触に気づく。

右腕には、ぎゅっと僕の腕を抱きしめたまま気持ちよさそうに息をたてているエリス。左側を見れば、無防備な寝顔で僕の裾を掴んでいるルチア。そしてベッドの足元では、甲冑を脱いだ無防備な姿のヴァルキリアが、僕の足首を守るように丸くなって眠っていた。


(……一晩中、誰が僕の隣で寝るかでもみ合っていた結果がこれか)


僕が軽く身動ぎすると、真っ先にエリスの藍色の瞳がパチッと開いた。


「ん……あ、ヒロさん……おはようござ……って、きゃあっ!?」


自分が僕の腕に抱きつくような格好で寝ていたことに気づいたエリスは、顔を爆発しそうなほど真っ赤にして跳ね起きた。その大きな声に反応して、ルチアとヴァルキリアも目をこすりながら起き上がる。


「ふぁ……朝? もう少しヒロのフェロモンを浴びていたかったのに……」(ルチア)


「うむ……不覚! ヒロ殿の安全を見守るはずが、不覚にも熟睡してしまうとは……っ! む、むち打ちの刑を……!」(ヴァルキリア)


朝から大騒ぎの三人だったが、侍女たちが運んできた豪華な朝食がテーブルに並ぶと、ようやく少しだけ落ち着きを取り戻した。


新鮮な果実や香ばしく焼かれたパン、甘いスープ。

三人に見つめられながら朝食を口に運ぶのはかなりの緊張感があったけれど、僕が一口食べるたびに「美味しいですか……?」「もっとお代わりを!」と乙女たちが瞳を輝かせる様子は、どこか微笑ましかった。


食事が一段落した頃、部屋の扉がノックされ、優雅な衣装を身にまとった女王の側近が入ってきた。


「ヒロ様。女王陛下がお待ちでございます。本日は『王立庭園』にて、ヒロ様をおもてなししたいとのことです」


「庭園で……ですか?」


「はい。陛下自ら、お茶会をご用意されております」


側近の言葉に、エリスとヴァルキリアの表情が一変した。


「庭園での二人きりのお茶会……! 陛下、本格的に攻勢に出ておられるわ……」(ルチア)


「ヒロさん! 私も、私もお供します!」(エリス)


「いや、エリス。今回は女王陛下直々のご指名だ。我々が無理に割り込むわけにはいかない……ぐぬぬ、歯がゆい……!」(ヴァルキリア)


悔しそうに拳を握りしめる三人に見送られ、僕は側近に導かれて王城の奥深く――花々が咲き誇る美しい王立庭園へと足を踏み入れた。


バラのような甘い香りが漂うガゼボ(あずまや)には、上質なドレスを纏った女王ルミナスが待っていた。陽光を浴びて金髪を輝かせる彼女は、一国を統べる者というよりも、恋する一人の少女のような可憐な笑みを浮かべて僕を迎える。


「来てくれましたね、ヒロ。……さあ、私の隣へお座りなさい」


優しく手招きをする女王ルミナス。

美少女たちに囲まれる甘く賑やかな異世界生活は、爽やかな朝の光の中で、新たな展開を迎えようとしていた。

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