↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
3/5

第3話 元旦那(かもしれないやつ)から妹を守るのよ!

「ミーナ! 大丈夫だった!? あの騎士に何か変なことされなかった!?」


 席に戻った私は、慌ててミーナの肩を掴んだ。


 先ほど、イケメン騎士アルフレッドがミーナの手を握って熱い視線を送っていたのを、遠目に見かけたのだ。



 許せない!

 前世で私を放置した挙句、今度は私の可憐な妹に手を出すつもり!?

 どこまで最低な男なのよアイツは! 絶対アイツが元旦那だわ!



 憤慨する私に対し、ミーナは冷や汗をダラダラと流しながら、引きつった笑みを浮かべていた。


「あ、いや……大丈夫だから、お姉様。ただの挨拶というか、なんというか……」

「ダメよ! アイツの甘い言葉に騙されちゃ! いいミーナ。男の『君は素晴らしい』なんて言葉は、ただの挨拶か下心なんだからね!」

「(……お前、俺が前世で言った褒め言葉も全部下心だと思ってたのかよ……)」


 ミーナが何かボソボソと呟いているが、怒りで耳に入らない。



 私はメラメラと正義感を燃やした。今度こそ、あの男の思い通りにはさせないわ!


 だけど、事態は私の想像を遥かに超えるスピードで狂い始めていた。




「ミーナ殿!」


 次に近づいてきたのは、知性派の腹黒魔導士、ルシアン様だった。


 彼は私には一瞥もくれず、真っ直ぐミーナの前で膝をついたのだ。



「先ほどアルフレッドとのやり取りを拝見していました。君のような聡明で、周囲を穏やかにする空気を持つ女性こそ、僕のパートナーにふさわしい。どうか僕とデートをしてくれませんか?」

「は……? いや、俺……じゃなくて、私まだ14歳ですし……」

「年齢など関係ない! 知識と配慮を兼ね備えた君の魅力に、僕は心底惹かれたんだ!」

「……なっ……!?」


 私は絶句した。



 魔導士様まで!? 待って、じゃあ元旦那は騎士様じゃなくて、この魔導士様!?

 いや、それとも……この会場のイケメン全員が、妹の魅力に狂わされているの!?



「お、お姉様……助けて……っ」


 ルシアン様に手を取られ、青ざめた顔で助けを求めてくるミーナ。


……そうか、分かったわ!



 元旦那は私に嫌がらせをするために、あえて私の妹を口説いて見せつけようとしているんだわ。なんて陰湿で性格の悪い作戦なの!



 私は妹の前に立ちふさがった。



「ルシアン様! 妹はまだ幼く、学業に専念する身です! 申し訳ございませんが、お引き取りください!」

「……おや? 妹君の意思を遮るのですか? 彼女自身の口から返事を聞きたいのですが」



 煽るような笑みを浮かべる魔導士様。

 私はミーナの袖をぐっと引っ張り囁いた。



「ミーナ、大丈夫よ。あんな奴の誘い、ハッキリ断りなさい! 『お前みたいな生活感ゼロの男はお断りだ!』って言ってやるのよ!」

「……こ、断りたいのは山々ですけれど。相手は高貴な魔導士……。変に刺激して呪われたら……」


 プルプルと震え出すミーナ。

 私にはそれが、「恐ろしい元旦那のプレッシャーに怯える可憐な妹」の姿にしか見えなかった。



 絶対に許さない……!

 私の妹を恐怖で震えさせるなんて。今度こそ、私が元旦那を見つけて叩きのめしてやるわ!



 勘違いの刃を研ぎ澄ます私と、イケメンたちの熱烈アプローチに挟まれ、本格的に胃を痛め始める妹。



 お茶会会場は、誰も想像しなかった明後日の方向へとヒートアップしていくのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。