共同保証の値段
第15日第1鐘、両岸の水番が既存分水門の巻き棒を同時に回した。
門板は赤い印で止まった。全開の4分の1。水が細い厚みで下を抜けても、四つの完了署名欄は空いたままだった。
最初の樽をヨハンが取水口へ寄せる。ルメリア側の水番責任者が水位目盛を読み、アレクシスの名を受けた領会計吏が開始時刻を別欄へ書いた。レオンハルトは下流標の動きを確かめてから、自国側の開始欄へ名を置く。
リディアは樽の底へ膝をつき、漏れを指で探した。銀筆のない手に、濡れた木の粉が付く。
一樽目は治療室へ運ばなかった。閉門前から槽にあった十二樽が、まだ上限まで入っている。成人医療責任者が患者へ使い、空いた目盛ができてから、新しく量った水を補うことになっていた。
半刻後、支流の先で管が鳴った。空だった流入管へ水が戻り、ヨハンは使用済みの一目盛だけを開ける。新しい一樽が入ると、槽は再び十二で止まった。
「ここから上へは入れない」
ヨハンは濡れた栓へ札を掛けた。閉門時の十二樽と、三日の間に補う十二樽を、一度に二十四樽あったことにはできない。
飲用槽へ向かう樽は、坂の途中で二人ずつ交替した。家畜槽では牛が空の縁を舐め、水番が六本だけ栓を開ける。灌漑口の土は白く乾いたが、そこへ回す樽は列に入らなかった。
日が落ちると、樽の縄が手の中で滑った。夜番は濡れた縄を外し、乾いた束と交換する。リディアは小計札を一つずつ裏返し、治療、飲用、家畜が同じ樽を二度数えていないか、運び手の泥跡まで追った。
夜半、飲用槽の前へ来た女は、家の壺を満たさず半分で栓を閉じた。後ろでは別の家の子が空瓶を抱えて待ち、家畜槽の柵では馬が水の匂いへ鼻を伸ばしている。十八と六へ分けた不足は、暗くなっても列の長さとして残った。
同じ第1鐘に王都を出ると記されたセレスティアの移動票は、ローヴェンの監査日程封に入ったままだった。国境の水番表へ彼女の名を足す者はいない。三日後に着くことも、この門の水量も、その票は保証しなかった。
二日目の朝、常設保守員八名へ暫定作業札が渡された。札には番号と白鹿分水門、開始時刻、七十二時間の終了時刻だけがある。
ヨハンは同じ書式の一枚をマティアスへ渡す前に、外部雇い追補名簿へ彼の名を書いた。実荷明細には、交換杭、留め金、油布、工具箱を入口で一つずつ数えて記す。いずれもヴァルハルト側の受付へ残った。
「上限線より下だ」
マティアスは荷台の十四袋刻線を横から見た。袋物ではない保守荷は、車軸目盛の内側に収まっている。それでも傷んだ鉄輪は、回るたび同じ場所で低く鳴った。
第一便は、ヨハンの一回限りの例外承認で門を通った。ルメリア側の入口係が見たのは、札の施設番号と終了時刻だった。所持者を照合する欄も、ヴァルハルトにある実荷明細を受け取る欄もない。
マティアスは保守荷を下ろし、空荷で戻った。入口側の明細には完了印が付き、閉門で失った正当便の銀貨二枚も、前日の受領札で支払い済みになっている。退出側には副署する欄がなく、札の角も切られなかった。
返却箱の蓋は、夜まで開いたままだった。受付の水番は八枚を受け取るたび番号を消したが、外部追補の番号には線を引けないまま番を交替した。
三日目、治療室への補給札が十二で揃った。補給するたび、使用で空いた目盛へ入れたため、槽の水位は一度も十二を越えていない。医療責任者は受け取った量と、患者へ使った量を別の列に残した。
飲用槽には十八本の封が並び、必要量まで六樽足りなかった。家畜槽へ運んだ六樽は必要量の半分で、飼い主たちは桶の底が見えるたび順番を待った。灌漑口の札は、三日間ずっと零のままだった。
フリーダの低地へ向かう溝には、水跡より先に風の筋が付いた。水番は零の札を裏返さず、乾いた土を一握り採って三日目の欄へ封じた。
第18日第1鐘前、最後の樽が水際へ来た。樽板は何度も濡れて膨らみ、鉄輪の隙間から水が一筋だけ落ちている。リディアは目盛へ顔を寄せ、線まで満ちるのを待って栓を閉じた。
「三十六」
その樽は飲用槽へ運ばれた。治療十二、飲用十八、家畜六、灌漑零。四つの小計が合い、総量は三十六になった。
ヨハンは開始と終了、4分の1、治療室の不足零へ署名した。ルメリア側水番責任者は下流の実測と飲用不足六、領会計吏は家畜不足六と灌漑不足十八を自分の欄へ置く。レオンハルトは七十二時間の終了と、これが恒久配分を作らないことを別欄へ書いた。
水量票は二部に分けられ、両岸の封へ入った。乾いた灌漑口には、署名が揃っても水は流れなかった。
ヨハンが作業札返却箱を開けた。常設八名の番号はある。外部雇い追補に記された一枚だけがなかった。
第1鐘が鳴り始める。ルメリア側入口から、満了打刻前に同じ施設番号の札を通したという走り書きが届いた。
その紙より先に、上岸の道から重い車軸の音がした。三日前より低く、鉄輪が一回転するたび、地面へ短い震えを返していた。




