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真行寺家の筆頭執事只野五郎は身長180センチを超える長身と、40の坂を越してもいまだに若々しい外見を保ったままのイケメンでした。
痩身で外見からはわかりませんでしたが、執事防衛術とよばれる格闘術の達人で、その道の専門家が一目見ればかれの恐ろしいばかりの戦闘力ははっきりと判ってしまいます。
執事という職業に似合わず、五郎は(息子の太郎と区別するため名前で記します)髪の毛を長く伸ばし、背中で結んで垂らしていました。
全身をつつむ執事のスーツは皴一つなく、どこをとっても完璧なスタイルでした。
いつものように五郎は専用のオフィスのデスクの向こうで、背もたれのある豪華な椅子に腰かけています。藤村はそのデスク越しに立っていました。
五郎の前に出た藤村は、いつものようにかれの身の内から発散されるエネルギーに圧倒される思いでした。五郎のほうが藤村よりはるかに年下のはずでしたが、どういうわけかその前に立つと謹厳な教師の前に立たされている生徒のような気分になるのです。
椅子に腰かけている五郎と、立ったままの姿勢の藤村という位置関係がそう思わせるのかもしれませんが。




