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どこをどう走ったのか、混乱のなか五郎は全員を率いて人気のない通路に行きつきました。妙に森閑として、物音ひとつしません。通路はまっすぐで、天井にぽつぽつと白い灯火が続いています。壁は一面タイルが張られ、天井から緑色の発光表示板が下がっていました。
暴徒はいませんが、逆に静かすぎて不安でした。
とりものもとりあえず逃げ出したので、全員身軽でしたが、源次郎だけは背中に大きなリュックを背負っています。逃げ出す時に、手当たり次第に荷台の荷物をかついできたのでしょう。
「ここはどこかしら……」
ぽつりと美和子がつぶやきました。
「源次郎、きみの荷物を調べさせてくれないか」
五郎に命じられ、源次郎は背中のリュックを地面におろしました。五郎はさっそくリュックの中身を調べ、一本のケーブルを取り出しました。
「これでわたしのスマホと、マルが接続できます」
五郎のスマホにケーブルで、AIのマルが入ったガラス板のようなコンポーネントがつながりました。
「お久しぶりでございます! みなさまのお手伝いをさせていただきますマルでございます。なんでもご用命くださりませ!」
初期値の設定だったのか、快活な笑顔のマルの顔が、空中にスマホからホロ映像で浮かび上がりました。
「おや、ここは白鷺号ではなさそうですね……あっ、思い出した! あっしを抜き出すなんて、なんて残酷な仕打ち……よよよ、と泣く……」
五郎は冷静に口を開きました。
「つまらんことを言っていないで、周辺地図を出しなさい」
「お呼びでない……お呼びでなかったね……あっ、これまた失礼いたしましたっ、と……へいへい、地図でございますな。ただいま……」




