↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
51/156

 とはいえ、シティはなだれこんだ群衆が右往左往していて一歩も前へ進めない状態でした。もちろん、こんな混乱の中で白鷺号を無理に進ませようとしたら、それはそれであらたな危険をまねくことは明白でした。

 状況を素早く見て取った五郎は、太郎に声を掛けました。


「太郎、執事防衛術(しつじぼうえいじゅつ)朝練(あされん)はさぼってはいないだろうな?」

「はい、お父さん」

「行くぞ!」


 掛け声をかけ、五郎と太郎の二人は人ごみのなかへ身を躍ろさせます。すると、ふたりの通ったあとだけ人の波がさーっと分かれていきます。ふたりの動きはまるで舞のようでした。殴りかかったり、掴みかかった様子はないのですが、ふたりが軽く触れた相手は、まるで操り人形のように自分から通り道を作っていくのでした。


 これが執事防衛術の神髄なのです。


 人間の体にある無数の点穴に必要な刺激を与えるだけで、勝手に動いてしまうのです。

 相手に無用な傷を与えず、主人を守るための必要最低限の防衛術、それが執事防衛術だったのです。


 美和子もただ黙ってふたりに頼るだけではありません。前にも記したように、美和子は中学生のときから様々な武道の一流師範をまねき、訓練をかさねてきました。とちくるって美和子に掴みかかろうとするならば、一瞬で合気道、または柔道の技で地面に叩きつけられてしまいます


 活躍しているのは幸次もでした。かれは料理道具のフライパンをつかって、近づく暴徒をぱんぱんと小気味いい音をたて撃退します。


 洋子とアイリスも、執事学校の出身ですので、執事防衛術の基本はできています。五郎と太郎のあとにつづき一同の逃走路をつくるため、八面六臂の活躍を見せています。


 最後に庭師の源次郎が、その大柄な体で人波をかきわけかきわけ、ばったばったと相手を下していました。


 藤村だけが、戦いには不得手で必死に眼鏡をささえて走り続けました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。