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昼食に意外と時間がかかったので、大京シティ正面ゲートに到着したころには、夕刻が迫っていました。
地平線から差し込む夕日で、シティの全景はオレンジ色に染まっています。しかし基底部あたりはすでに暗闇がせまり、構造体に開いた窓からいくつもの灯火がまぶしい光を放っていました。
正面ゲートは重厚なデザインで、どっしりとした鋼板の外開きドアが開け放たれており、そこには身長2メートルはあろうかという、巨大な警備ロボットが油断なく見張っていました。ゲートの奥は構造体内部へ続くトンネルになって、その先がシティ生活圏につながっています。
つまり正面ゲートを通過しないと、シティ内部には進めないのです。
しかしゲート通過はなかなか困難がともないます。
大京シティは市民の安全を保障するため、不審な人物、過去の犯罪歴を持った人物、武器を持った相手、さらには経済的に困窮している貧困層には閉ざされています。
ゲートの周囲には、それでもなんとかシティに潜り込みたいとチャンスをうかがっている人々が、僥倖を待ち続け、スラムが形成されていました。また、シティから放出される余剰物……つまり廃棄物も、ある種の人々にとってはお宝でした。
残飯、壊れた電子機器部品、廃棄される家具など、それらは再利用され、値段がつけられ、マーケットを形成していました。
ごみごみとした雑多なテントが集まるその中を、真行寺家の白鷺号がしずしずと通過します。
「なんや、怖いような気ぃがするわ……」
アイリスは窓からスラム街を横目で見て、緊張した声を上げました。
白鷺号の周囲には、鋭い目つきの男女がねばっこい目つきで通過する車を見送っています。




