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「不確かな情報ですが、秋葉原という旧東京都のゲームの聖地とされる場所に、かれは頻繁に出没していたという書き込みが多数残されています。また旧区分で言うと、中野とよばれる地域でも目撃例があります。かれの死亡届は公式には出されておりませんので、もし生存されていても、その年齢は200歳以上になり信頼できる数字ではありません」


「そんなことじゃないかと思ってたわ」


 美和子の顔にあきらかにがっかりとした表情が浮かびました。

 プライドを傷つけられたのでしょうか、AIにプライドがあるとすればですが、マルはすこし意地悪そうな笑顔になって言い出しました。


「コレクションについてですが”案件板(あんけんいた)”という存在をご存じですか?」

「なにそれ」

 興味なさそうに美和子は横目で答えました。


「当時の企業が宣伝のために、動画配信サイトの運営者に支払った報酬データが書き込まれたSDカードのことです。当時はデータ保存のため、物理的なカードを使っていたんですな。そのデータには、未払いの報酬データが残されているという話です。もしそれが見つかり、読み込むことができたら、膨大な金額を手にすることができるということなのです」


「ふうん。面白いわね」


 だが美和子の表情には退屈さが現れていました。もともと真行寺家という大富豪の娘として生活してきた彼女には、お金の話はまるで縁遠いものでした。


 しかし太郎は美和子の隣に座っている山田洋子の表情が気になりました。

 洋子はマルの”案件板”という言葉に真剣な表情になって聞き入っているようでした。

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