3
「会議モードにしますね!」
マルがそういうと、太郎の目の前のパネルに美和子の顔が映し出されました。振り返って客室を見ると、そこには太郎と五郎の顔が映っていました。もっとも太郎は客室に顔を向けているので、自分の後頭部しか映っていません。自分の後頭部が見えるのは、なんだか妙な気分でした。
「あなたF田について、なにかデータを持っているの?」
美和子は真剣な表情でマルに尋ねました。
「はい。しかしわたしの持っているデータは古いものです。データの更新はなされていませんので、それをご承知のうえでならお話しましょう」
空中に浮かんでいるマルの顔も、まじめな表情に変わりました。やはりマルはオーナーである美和子には、ふざけた態度はとらないようです。
それが証拠に、口調もがらりと変えました。
「F田は信頼できる情報によると20世紀の後半に日本人として生まれ、幼いころは厳しい環境にあったためゲームにのめりこむようになりました。成人してからは精力的にゲームをコレクションするようになり、その数は数万点、もしくは数十万点ともいわれ推測の域をでません。またそのコレクションをどこに集めたか、場所によっても研究者の議論がわかれ確実なことは言えません」
美和子はいらいらした表情になりました。
「そんなことくらい、知っているわよ。ほかにないの? たとえばF田の行方とか」
「ちょっとお待ちを」
マルの顔に「NOW LOADING」という文字が浮かびます。ぐるぐると矢印が回転する表示がうかんで、やっと再びマルが話し出しました。




