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挿絵(By みてみん)

 真行寺家の屋敷のある場所は、古い日本の行政区分では千葉県東端と呼ばれた場所にあります。いまは超メガストラクチャーとなった、東京都あらため大京シティの一部分です。それでもシティの端っこにあるため、広大な敷地はほとんどが自然の森と、その森の中にうずもれるようにして屋敷は存在していました。


 あまりに敷地が広いため、頑丈な壁や柵などで囲む必要はなく、周囲を取り囲む森自体が屋敷をほかの世界と隔絶(かくぜつ)する結界(けっかい)になっていました。


 その森の中を、小石を敷き詰めた道が一本、外の世界へと屋敷をつなぎとめています。


 真行寺家の前庭では、美和子の出発を見守るため、屋敷中の召使たちが勢ぞろいしていました。

 美和子の両親は屋敷正面のバルコニーに出て、全体を見下ろす位置にふたり並んで立っていました。


 前庭全体はヨーロッパの王室にあるような幾何学的な庭園になっています。


 屋敷前はひろびろとした空間になっておりまして、そこへ屋敷全体の召使たちが階級ごとにきちんと整列をしていました。


 中庭から蒸気車がしずしずと移動してきます。


 蒸気車が屋敷のファサード前で停車しました。

 即座に五郎と太郎が操縦席から降り立ち、客室のドアをうやうやしく開きました。


 美和子が降り立ちます。


 あいかわらずの合気道の道着で、したははかま姿です。長い亜麻色の髪の毛は後ろできりりと結び、結び目にかわいらしいピンクのリボンをつけているのが唯一女の子らしいおしゃれでした。


 敷き詰められた玉砂利を踏みしめ、美和子は玄関に進み出ました。


 その美和子の背後に、同行する七人の召使がずらりと整列しています。

 美和子がバルコニーに立つ両親を見上げます。


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