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驚きの表情を浮かべた太郎は、ふたたび美和子たちに視線を向けました。
意外な美和子の提案に、百合子と五郎は黙り込んでしまいました。真剣な表情で考え込む百合子にたいし、父親の大吾はなんだか上機嫌でした。
「いいじゃないか百合子。花嫁修業、結構結構!」
「あなた!」
百合子は眉を寄せ怒りの表情を見せました。
しかし一瞬目を閉じ、何かを決意しているようです。
目を開け、美和子に向き直りました。
「わかったわ。その花嫁修業、あなた一人で出かけるわけではないわよね?」
美和子は晴れ晴れと笑顔になりました。
「もちろんです。わたくし、信頼できる召使たちと旅に出ますわ」
無意識ですが、百合子は指先を口にもっていって、爪を噛んでいます。自分のしていることに気づき、はっとばかりに手を膝に置きました。
「ではお母さま、お許しに?」
百合子は無言でうなずきました。
美和子はさらに笑顔になり、こう付け加えました。
「それに、もしかしたら旅の途中にふさわしい殿方と出会うこともあるかもしれません」




