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百合子は美和子から一瞬も目を離さず、手元から一枚の見合い写真を取り出しました。
「この方です。あなたにはピッタリのお相手だと思いますわ」
百合子が提示した写真には、髪の毛を金髪に染めた、美和子とそう年齢が離れてはいそうに思えない若者の姿がありました。
金髪はいわゆるリーゼントスタイルというやつで、ポマード等の整髪料できっちり固め、身に着けているのは真っ赤な詰襟服でした。
写真は数枚あって、その中の一枚には背中側から写したものがあり、そこには膝丈まである学生服、いわゆる長ラン姿でした。しかもその長ランは服地が真っ赤で、背中側には「男」の文字が金糸で縫い取られていました。
「高倉ケン太とおっしゃるの。年齢は19才。高倉コンツェルンのご子息よ」
百合子の口調は誇らしげでした。




