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「洋子はん、サボってたなんて人聞きがわるいがな」


 アイリスは洋子の側に並び、歩き続けました。

「どうだか」


 洋子はとりあいません。


 山田洋子(やまだようこ)というのが、彼女の名前です。


 身長は洋子のほうがアイリスよりも、太郎よりも少しだけ高く、広い肩幅と迫力ある体つきのおかげで、どんな場面でも自分の意見を押し通す、そんな一面もあります。


 アイリスが洋子にこっそり耳打ちしました。

「なあ、こんどのお相手、どんなお人ん?」

 洋子もこそこそと小声でアイリスに答えました。

「知らないわ。第一、召使はそんなことに興味持つべきじゃないもの」


 そんなことにお構いなく、アイリスはくるっとかかとを中心に体を180度回転させると、そのまま後ろ向きに歩き続け太郎に向き直りました。


「なあ、太郎はん。今年になって、お見合い話何度目やったかいな?」

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