京都・紅葉の修羅場
1. 嵐の予感:他校の影
京都、嵐山。
獅子堂が「喉が渇いた」というゆうのために、最高級の抹茶ソフトを買いに列に並んでいた数分間のこと。
阿久津と羽柴は、先生に呼び止められて少しだけ目を離してしまった。
その隙を、京都を拠点とする凶悪なヤンキー校・「黒蓮高校」の連中が見逃さなかった。
「おっ、見ろよ。他校のガキか? ……え、めちゃくちゃ可愛いじゃん」
「おい、一人か? 俺らと一緒に『夜の京都』を案内してやろうか?」
2. ゆうくん、絶体絶命
三人の大男に囲まれ、ゆうは震え上がった。
「あ、あの……獅子堂くんを待ってるから、大丈夫です……っ」
「ししどー? 誰だよそいつ。……いいから来いよ、おもちゃにしてやるよ」
一人がゆうの腕を強引に掴み、奥の暗い竹林へと引きずり込もうとしたその時——。
「……ひっ、やだ! 助けて……獅子堂くん!! 阿久津さん!!」
3. 盛トワ2年生、集結
「……おい。今、俺たちの『ゆう様』の声が聞こえなかったか?」
近くで買い食いをしていた盛トワの2年生たちが、ピクリと反応した。
「……あ、あそこだ!! ゆう様が知らない野郎に腕を掴まれてる!!」
「……てめぇらぁぁ!! 全員並べぇ!!!」
怒号とともに、数十人の盛トワヤンキーたちが竹林へ猛ダッシュ。
「おい、黒蓮のゴミ共!! その子から今すぐ手を離せ。……さもなきゃ、お前らの母校を更地にするぞ!!」
いつもは怖くて近寄れなかった先輩たちが、今は巨大な盾のようにゆうを守る。
だが、一番恐ろしいのはその後ろから「殺気」を無機質に垂れ流して現れた男だった。
4. 獅子の処刑タイム
「……阿久津。……羽柴。……あとは任せる」
獅子堂の声は、逆に静かすぎて氷のように冷たかった。
獅子堂は、泣きじゃくるゆうを無言で抱き上げると、その耳元で低く囁いた。
「……怖かったな、ゆう。……もう大丈夫だ。……あいつらが二度と、太陽の下を歩けないようにしてやるからな」
「ししどーさん! それはマズいっす、死人が出ます!!」
阿久津が慌てて獅子堂を止め、代わりに黒蓮の連中に強烈な一撃を叩き込む。
「……おい。俺たちの頭がキレる前に、俺が地獄を見せてやるよ。……ゆうくんの涙、一滴につき骨一本だ。覚悟しろ」
羽柴もいつもの眼鏡をクイッと上げ、冷徹な笑みを浮かべる。
「……京都の警察も、これだけの人数が『転んだ』ら大変でしょうね」
5. 庇護欲の嵐
事件の後、旅館の広間。
ゆうを中央に座らせ、2年生のヤンキーたちが「申し訳ございませんでした!!」と一斉に土下座。
「ゆう様、俺たちが近くにいながら……っ!」
「これ、お詫びのお守りっす! 四つ買ってきたっす!」
「俺が夜通しドアの前で寝ずの番をするっす!!」
ゆうは、赤くなった腕をさすりながら「……ううん、みんなが来てくれて、嬉しかった。ありがとう」と、涙目でふにゃっと微笑んだ。
その笑顔に、盛トワ2年生たちは一斉に「うぉぉぉん!!」と感涙。
「一生守る!!」「ゆう様のためなら退学も怖くねぇ!!」と、さらに庇護欲を爆発させるのだった。




