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空に輝く五芒星  作者: 猫村 子麦
第四章:容疑者
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さんじゅうさんこめ

 昨日は結局何もできなかった。

 あぁ、私の馬鹿!もうほんとに馬鹿!知ってたけど!

 朝から気分は最悪である。机にでろーん、だ。ちなみに、今日の登校はイリスと一緒だった。下校時に私が用事を作っただけであり、不仲になったわけではないのでこれは当然である。


「る、ルウちゃん……」

「? あ、ティアちゃんだ。今日は来れたんだ、よかった!」

「うん……あの、でね、ちょっと、お話、が、あって……」

 私はそこで違和感を覚えた。

「あれ?ティアちゃんって、私のこと呼び捨てで呼んでなかったっけ?」

 呼び捨てから急に呼称が付くと、なんだかよそよそしい感じがしてしまう。少し寂しい。

「うっ、あ……それは……ひっ」

「それは?……どしたの?」

 ティアちゃんが胸の前で手をぱたぱたと動かす。ちょこちょこと動く指先の皮は少し剥けていて、爪の隙間には赤茶の何かがこびり付いていた。私はそれがなんなのかを聞こうとしたのだが、それは叶わなかった。

「ルウ、何を話してるの?」

「イリス!なんだかね、ティアちゃんおかしいの」

「おかしい?どういうこと?」

 イリスはティアちゃんに視線を向ける。その途端、ティアちゃんの肩がびょきゅるっと跳ねた。当分の間、ティアちゃんは〇〇肩にはならないだろう。ティアちゃんの肩の筋肉が元気でなによりだ。

 でもなぜ今跳ねたのだろう。


「お、かしくなんてないよ!ルウちゃんってば変なこと言うなぁ!至って正常通常運転!いつも通りの日常生活!……学校生活?とにかくいつも通り!おかしくない!」


 ティアちゃんは必死に言葉を連ねる。

 そのとき、一時間目の授業の予鈴が鳴った。ほしぞら中学では、授業二分前に予鈴が鳴る。これを聞いた生徒は席に着席するのだ。

 今日のところは時間切れ。

 でもいつか、ティアちゃんにも探りを入れないといけないかもね。ティアちゃんが加害者説、ありえる。

 イリスに害を為すのなら、排除対象。

 でも、そうでないのならずっと友達でいたい。ティアちゃんは可愛くて揶揄い甲斐があってそして、いい子だ。

 私はいい人達に囲まれているな、と思って隣を見る。

 その時、ティアちゃんが小さくつぶやいたのが聞こえてしまった。



「面倒事が二つになるなんて、最悪」



 面倒、事……?


 




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