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さんじゅっこめ
気がついたら教室の自分の席に座っていた。授業の準備は万端。あとは休み時間を過ごすだけ。
やったぁ!となるところなのだが、今日はなぜかテンションが上がらなかった。
私の様子がおかしいことに気がついたイリスが話かけてくる。
「ルウ?ルウ?大丈夫?」
「全然」
「レア先輩になんかされた?」
「食缶取り上げられた」
「そんなにショック受けることかな、それ」
イリスが今日はたくさん話しかけてくる。そこそこ珍しい。
「イリス」
「?」
「あのさ」
「?」
イリスが首を傾げる。細い髪が肩を滑り落ちて光を散らす。
それに見惚れられたらよかったのに。
「隠し事、してる?」
「……………………………………」
重い。
空気が、重い。
「?」
イリスは答えない。
代わりに、別のことを言った。
「それは、私に言うことじゃないかも」
「…………!」
脳裏にうつる一人の人物。
私は、あっさりと、つられてしまった。
「今日、別々で帰ろ」
「うん」
イリスは綺麗な笑顔で頷いた。
愉しそう。




