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空に輝く五芒星  作者: 猫村 子麦
第一章:私はまだ、何も知らない
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さんこめ

「……よし」


 描き始めて三日。提出期限が明日に迫った日に、絵が描き上がった。


「やっと終わった?おつかれさま」

「ありがと、イリス」


 私は達成感に満ち溢れていた。

 キャンバスの真ん中にひまわり。その周りには、澄んだ青空が広がっている。空の青がうまくひまわりを引き立てていて、ひまわりのイメージを強くしていた。


 我ながらいい出来だ。


「さ、ルウ、帰ろ」


 あたりを見回すと、一人を残して部員がもう既に帰った後だった。


「うん」


 私は帰りの支度を始める。

 すると、残りの一人の部員であるセレス先輩が近づいてきたのだ。


 セレス先輩は意地悪く笑っている。そして彼女の利き手である左手を、催促するように差し出した。


「描き終わったって?見せてみなさい」


 我がほしぞら中学美術部に相応しいかどうかチェックしてあげる。

 セレス先輩が言う。


「ルウ、別に見せなくたっていいよ」

「はぁ?何を言うの?先輩たるこの私がアドバイスをくれてやろうっていうのよ?いいからはやくみせなさい」


 イリスはセレス先輩をひどく警戒しているような声を出した。

 私は、そんなイリスに違和感を覚えつつ、セレス先輩の方に絵を向けた。イリスの警戒の意味がわからなかったし、セレス先輩の願いを却下する理由が思いつかなかったからだ。


「はい、まあ、いいですけど」

「ルウ…」


 イリスがそんな声を出す理由が分からない。しかし態々尋ねる気にもなれず、私はセレス先輩の反応を待った。


「……なぁに?この、絵」


 それは、私が全く予想だにしていない反応だった。


「空の絵を描くんじゃなかったの?これじゃひまわりの絵じゃない。それに、ひまわりの絵を描いたにしても、どうして茎がないのよ」

「そ、それ、は……ひまわりが、空に、う、浮かん、でて……」 


 しどろもどろに言う。


「はぁ?あんたには空にひまわりが見えんの?どうかしてる。目が悪いんじゃない?いや、悪いのは頭ね!バカなの?空からひまわりが生えるわけないじゃない。こんな絵じゃ、空だってわかんないわ!フンッ、描き直しなさい」


 そこまで言うと満足したのか、先輩は部室から出て行った。



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