じゅうななこめ
レア先輩陣営とルウ陣営に分かれてモデルの話がぶり返されている頃。
レア先輩側についていたシルク先輩が急にピっと固まった
「レア先輩!足音が聞こえます!イリスです!シルクはここらへんで引きます!」
「あ、私もー。イリス来るんだったら引くねー」
「え、あ、まてよ…………」
シルク先輩とマリア先輩が自分の作品の前に戻っていく。
そんな中私は眉を顰めた。
まるで、イリスが嫌われているようだ…………
さっきまで楽しく会話していた先輩達に不信感が募った。
イリスのような良い子を嫌うなんて。しかも、イリスの親友である私の前で嫌悪感をあらわにするだなんて……なんだか、先輩達に裏切られた気分である。良い気持ちではない。
「なんでイリスが避けられてんですか?」
「そ、それは……」
レア先輩が何かを言おうとした時、ガラガラと扉が開いた。
「失礼します」
涼やかな声。静かな発音。
間違いない。イリスだ。
「イリスっ!」
私は半ば悲鳴を上げるようにして名前を呼ぶ。
イリス、イリス。なんか、なにか、変だよ。
私の顔を見たイリスの眉根が寄る。
「レア先輩、ルウに何したんですか」
「え、何もしてないぞ」
イリスは私の嘆きを別の意味で捉えたらしい。
「モデルになってくれと頼んだだけだ」
「ルウ、そうなの?」
イリスに尋ねられ、私は全力で肯定の意を示す。
「ふぅん。ルウは受ける気あるの?」
「あー、ううん、微妙、かも…………」
「絶対に嫌、って訳ではない?」
「うん」
イリスが、コツコツと軽い足音を立てて私の後ろに回ってきた。そして私の肩に顎を乗せ、指を無造作に絡めてくる。そうして握った私の手をきゅっと握り、イリスは口を開いた。
「モデルは、一人じゃないとダメですか?」
私は息をのんだ。レア先輩も驚いている。
「いや、二人でも全然良いぞ。むしろ大歓迎だ」
イリスはフッと笑った。




