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じゅうにこめ
めっちゃ短いです。すみません。
「ライアちゃんすごかったぁー。ね、イリス」
私は無事にライアちゃんへとボールを渡し終え、人気のない廊下をイリスと歩いていた。
「そうだね。あの子、すごく足速かった。50m走何秒?」
「8秒代だった気がする……いや、7秒代?」
「私たちからしたら化け物にも等しいよ」
「確かに……」
ライアちゃんを化け物呼ばわりする私の50m走タイムは、なんと10秒代である。悲しい。
ちなみにイリスは10秒と9秒を彷徨っている感じだ。どっちにしろライアちゃんには遠く及ばない。
ちょっと外にでると絵になりそうな景色見つけちゃって、すぐ描きたくなっちゃうんだよなぁ……
だから、運動しようとして外に出たはずなのに運動せずに帰ってしまうことがよくあるのだ。悲しい己の性質を思っていると、イリスが急に立ち止まった。
「あ、ごめん。私ちょっと用事思い出した。ルウは先行ってて」
「え、あ、うん…………」
廊下に一人取り残されてしまって、何だか心細い気持ちになる。
でもこれから行くのは、もうすっかり通い慣れた美術室(美術部部室)だ。道に迷うことはない。
私は自分にそう言い聞かせて足を運ぶ。それでもどうしても少し震えてしまう。
そこで何故か私は、幼い頃のことを思い出した。




