きゅうこめ
イエェェェェエエエイ!授業、終っわりぃ!
私は、心の中でそう叫び、イリスの元へ向かった。
「授業終わったよ!やったぁ!あともう少しで部活だね!」
「ふふ、そうだね。でも、その前に清掃とホームルームあるからね?」
「わかってるよ、でも、とりあえず授業はおしまいっ!」
「うん。ルウがハイテンションになるのはわかるけど、勢い余って変なことしないようね」
「うんっ!…………変なこと?」
私は首を傾げる。すると、イリスも私と同じ角度になるようにして首を傾げた。
「清掃時間に、箒振り回して水が張ったバケツに足突っ込んでこぼれた水を拭き取ろうと持ってきた雑巾で滑って転んでおでこ打って膝にすり傷つくって私に手当てしてもらってた人は何処の誰だろうね?」
「さ、さぁ……?だ、誰だろうね…………」
私はしらを切る。
そんなおっちょこちょいな人がいるもんか!
……嘘です。ここにいます。
私は視線をふい〜っと他所に移動させる。ここは口笛を吹く所なんだろうけど、生憎と私は口笛を吹くことができないのだ。一時期、口笛を吹いてみたくなって物凄く練習していた時があったのだが、口周りの筋肉が疲労して終わった。一日中唇を突き出して頑張ったと言うのに、なんともままならないものだ。
「まあいいよ。頭打たなかったところは褒めてあげる」
「いぇーい!褒められたぁ!」
「…………」
私がイリスに褒められたことに喜んでいると、何だか物凄く冷たい視線を感じた。
…………イリスさん?なんですか、その目は?冷たいだけじゃなくて、若干「あ、この子ダメだ」みたいな哀れみも入っているように見えるんですがぁ!?気のせいですかね!?気のせいだといいな!!
「と、とりあえず清掃場所いこ…………」
私がおずおずと言うと、イリスが、ぷっと吹き出した。
「あはは。ルウってば、しょんぼりしてるのが丸わかりだよ」
「ぅえぇぅっ?そ、そんなに顔に出てた!?」
「え、出てないと思ってたの?」
私たちはしばし見つめ合った。
5秒ぐらい。




