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どうも初めまして。 異種族通訳者のアリスと申します!

最終話です!

 学園祭はとりあえず色々とありました。 例えばセシリアがどこから迷い込んだのか分からない葡萄酒を飲み干して酔っ払い散らかしました。 そして魔王さんに戦いを挑み……まぁ言うまでもなくボッコボコにしました。

 そして気が収まらないようで暴れ散らかし始めたセシリアを皆で止めようとして……それはもう大変でした。

 結局最後は疲れて眠り出すという圧倒的酒癖の悪さを皆に披露しました。


 あれからというもの私たちはセシリアの武芸っぷりが引き金となって依頼が激増しました。 そして行く先々でセシリアが戦いを挑まれたり。

 たまに私とセシリアを勘違いした武人に襲われて……駆けつけたセシリアが半殺しにしたりと余計な被害も増えましたが。


 オークさんの筋トレジムは大反響のようですね。 雌豚さんは当時の面影もなく今はモテモテなのだとか……ぐぬぬ。


 アーチェさんとカムラさんは二人で新しく料理店を始めたらしいです。 アーチェさんの激ウマ料理に胃袋を掴まれた方々によって日々繁盛しているのだとか。

 まぁ私の稼ぎには敵いませんけどね、ふふん! この間家に招待して料理を食べさせてもらいましたがそんじゅそこらの料理とは比べ物にならないレベルでした。 うちで雇いたいとセシリアは申し出たのですが……「お客さんがやっぱり大事だからね〜。 まぁ廃れたらお願いしようかな〜」との事。 お二人でラブラブらしいです。 別に羨ましくはありませんが。


 校長さんは……世界を股に掛けて活躍する私たち二人が卒業した学校として大分生徒数を稼いでいるのだとか。

 私たちをダシにしたその稼ぎ方には、ちょっと思うところもありますが……私達も卒業生として呼ばれては色々と奢ってもらったり依頼を受けたりしているのでウィン・ウィンの関係なのです。


 魔王さんは……セシリアに負けたことで日々勇者がやって来るということはなくなったのだとか。 今は色々な人間と友好的に平和な時を過ごしているらしいです。 まぁ人生中が闘いのような方でしたし、それもいいのかもしれませんね。


 そして……私&セシリア!

 今となっては世界を股に掛ける異種族通訳者です! 色々な世界を回って……色々な人に出会っています。 そしてお金も……げへへ。


『それにしても……アンタの魔法全然成長してないわね』

「本当ですよー! 私だってセシリアみたいにかっこよく敵を倒したいんですけどねぇ……」


 ぐでーと机に突っ伏して杖さんに文句を垂れます。 いや本当にそうなんですよ。 魔法だけは何故かからっきしで……全然成長しないです……毎日ちゃんとセシリアの訓練を見ているのに……見てるだけですが。


「……おやアリス。 ここにいたのか」

「んー? どうしたのセシリア?」


 机に突っ伏したまま返答した私の頭を……セシリアはポンと叩きます。


「次の依頼さ。 少し遠いけれど……無論行くよね?」

「行くけど……転移魔法使ったらすぐに着くでしょー?」

「ダメだ。 普段魔法を使わないんだから……こういう時に練習しておかないとね」

「むー……」


 転移魔法なら一時間程度で行ける距離を一日くらいかかる箒で移動しようだなんて……もう馬鹿ですかと。

 しかしながらセシリアの言うことも一理あります。 魔力も筋肉と同じで使わないとどんどん衰えて行きます。 私としては別にそれでもいいのですが……やはり何かと便利ですから使えた方がお得なのです。


「まぁいいや……今日はセシリアに魔法でも教えて貰いながら行こっかな」

「……おや? 珍しいね。 いつもは景色を見たいから、とか言って頑なに断るというのに」

「別にいいでしょ! そういう気分になったんだから!」


 セシリアは心做しか嬉しそう。

 急いで準備を終えた私は……箒に跨って目的地へと向かうのでした。


 ★★★★★


「ぜぇ……ぜぇ……やっと着いた……」

「ふふっ。 お疲れだねアリス」


 クスクスと上品に笑うセシリア。

 私が疲れているのは他でもなく、セシリアを倒そうと私に空中戦をふっかけてきた馬鹿な魔法使いのせいです。 セシリアは余裕でその魔法使いを倒しましたが……私は執念深く追いかけてくる魔法使いから逃げるために精一杯の魔力を使ってしまったのです。

 ようやく辿り着いた頃には魔力はすっからかんで……このように息が上がってしまうのも仕方ないでしょう。


「……おや? アリス。 依頼人が来たようだよ」

「ぜぇ……ぜぇ……。 ……ん?」


 見上げるとそこには長い金髪の少女が一人。 ピシッと遠くの小屋の方を指さしていました。

 ようやく呼吸を整えた私はその少女の高さに視線を合わせ……頭を撫でながらこういうのでした。


『どうも初めまして。 異種族通訳者のアリスと申します!』

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