第四十二話 一者択二
どうにかならないかと、電話で蘭たちに相談しようと思ったが
ここ最近迷惑ばかりかけていたのでやめることにした。
(・・・・明日手帳なしでいってみよう)
あわよくば一日ぐらいは許可がおりるかもしれない。
落し物として職員が保管している場合もないことはないはずだ。
早朝。普段よりも少し早起きして、支度を済ませる。
一ヶ月くらい着ていなかった制服にそでを通すと、懐かしさを感じた。
通学鞄を左手にぶら下げて、家を出る。
あの日以来、一回も出ていなかったので、空が鮮明に晴れて見えた。
口から深く吸い込み、落ちついて少しずつ吐きだす。
大丈夫。もう取り乱したりはしない。
俺は、俺を取り戻した。本当の辻紘斗だ。
しばしの沈黙。
頭によぎる自分の悲壮な金切り声。
・・・・・・・じゃあ、桜の神であった辻紘斗は
本当の俺じゃないと言い切れるのか?
頭を鈍器で殴られた思いがした。
神として過ごしたあの時代は、幻だったのか?
確かに、神のころの記憶は残っているが、次第に薄れてきてしまっている。
脆い精神が、自らにかけた虚像の夢なのでは?
そうとも思えた。
もう分からない。考えたくない。
真実から目を逸らした俺は今、何をこの目に映し出しているのだろう。
おおきくかぶりを振った。
学校に向かわねば。登校再開初日から遅刻してしまっては情けない。
酷く殺風景な田んぼのあぜ道をがむしゃらに走った。
話が妙にみじかい・・・。今回の題名は、内容に合わせてこってみました。
(そんなにこってもいない)




