第四十話 整理
すべてが、繋がった。
今思えば桜の神として存在した自分は、約六十年もあの時代へいたのか。
ここからそう遠くない未来に。
涙でぬれた写真を服の袖で荒く拭いた。
記憶を取り戻した安堵と、拭いきれない未練。
「神楽と楓には・・・もう会えないんだな」
楓を巻き込んだまま、中途半端に断ち切られてしまった。
どうか、無事でいてほしい。
炎に巻かれた長寿の桜は、きっともう、焼けきったのだろう。
せめて最期は綺麗に花を咲かせたかった。
ここにきて早三ヶ月。ふたりは、俺のこと・・・忘れたかな。
まだ、神楽と話なんかしてないし、もっと楓と話したかったが、
お別れなんだ。
住む世界が違ったんだ。
「ここから、再起って感じか・・・」
母さんを失い、神楽と楓にも会えない。
失った繋がりはもう戻すことができないが、俺には蘭や鈴がいてくれる。
二人の存在は、俺の中を大きく埋め尽くしてくれた。
ひとつ息を深く吸って、ゆっくりと吐きだす。
俺にはしなくてはならないことが残っている。
こんな所で、もたもたしていてはいけない。
記憶を取り戻して泣きだしてから、かなりの時間を費やして泣きやんだ。
昼過ぎぐらいだろうか。蝉のつんざく声が一段と張りあがって聞こえる。
手元の写真を見つめ、
「この写真・・いつ撮ったっけ」とかすれた声で呟いた。
俺の顔は瞼が腫れているに違いない。
元あった場所にはさむと、日記ごと手に抱えて部屋を出た。
居間の棚に日記を置いて、座椅子にもたれこむ。
ぐぅぅ・・。独特なあの音が体に振動を与えた。
・・・・昼食でも作ろう。
「生徒手帳探しは食べてからだな」
冷蔵庫を開くと、少量のお肉や野菜、卵が入っている。
「卵焼き・・・・・作るか。」
調味料をかき集め、さっそく調理にとりかかった。
話がなかなか更新できなくてすみません。
今回はなかなか文章が書けなくて苦戦しました。




