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第三十五話  訪問者

 


翌日、蘭と鈴が家にやって来た。

 少し蒸し暑くなってきた気候に合わせたのだろう、前よりも薄い服装だ。

 居間に招いて、簡単に飲み物と和菓子を出す。

 ここ最近は生活を不便なく送る為に練習してきたから

 自然なそぶりで出来たと思う。

 

 座布団についた二人は、

 ありがとうと言って淹れたてのお茶を口で冷ましながら飲んだ。

 冷たいものを出せばよかったか?なんて考えていると、

 蘭が少々暗い面持ちで話し始める。


 「あのね、先生に頼まれて来たんだけど・・・。

  そろそろ学校に来てほしい、だって」


  開いた窓から、風が流れてくる。

 草のにおいが鼻をかすめていった。


 「ああ・・・うん。少ししたら行くよ」


 正直言えば、学校というものを詳しく知らないし、

 昨日あった事も心に残っているから・・・意欲は無い。


 ぶっきらぼうな俺の言葉に反応して、続けざまに鈴が口を開く。

 「私、毎日紘斗に会いたいよ」

 鈴のもつ澄んだ茶色い瞳には、目を見開いた俺が映り込んでいた。

 まっすぐと心の奥に溶ける、甘い言葉。

 その言葉を肯定するように、蘭も頷く。

 「もちろん、私だって会いたい気持ちは変わらないわ」

 力強い光を宿した蘭の漆黒色の眼は、美しかった。


  二人の気持ちに押されてか、いささか不安は取り除かれた。

 「わかった。二人ともわざわざごめんな。

  準備が整い次第、すぐにでも学校に行くことにするよ」

 ほっとしたように笑顔になる二人。

 双子だけれど、笑顔はやっぱり個人の個性がでるもんだなと新しく発見した。



  

短いうえに、変なところできってしまってすみません・・・。

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