第三十六話 瞬き
きぃぃ。
開いていた窓を閉め、鍵をかけた。
硝子の向こう側で、深い藍色に紛れず星が瞬く。
「本当に綺麗だな・・・」
吸い込まれそうな夜空に、目が奪われてしまう。
『この村はね、自然が豊かだから星も綺麗に観測できるんだよ』
鈴が誇らしげに言った言葉を思い出した。
数時間前に蘭と鈴は帰っていった。
俺が学校に行くことに決めた後、
俺達は時が流れるのを忘れてずっと話をしていた。
『紘斗、記憶はどう?もどった?』
『ううん、全然・・・』
『そっか。・・・必要だったら私たちになんでも聞いてね!力になるから』
『ありがとな』
記憶を無くしたことになっている俺に、
二人は村についての説明や話を詳しくしてくれたのだ。
その中で、特に興味をもった話が二つほどある。
一つはこの家の持ち主だった、『辻玲子』
・・・・・・写真立ての中に映っている女性の生前の話。
もう一つは昨日会った不良らしき男、『新垣敦』の妙な噂話。
・・・・窓の外を眺めていると、近所の家の明りが消えた。
床につく時刻になったのか。俺も早く寝よう。
明日は、学校に行く準備を始めなければならない。
必需品は二人に聞いたことだし、たいして問題ないだろう。
就寝の支度をして、居間の消灯をする。
今夜はいい夢を・・・人間だからこそ見られる幻覚を、是非とも経験したい。
俺はゆっくりと瞼を閉じた。
短い!すいません!




