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第十五話 暗がりの迷宮で
迂闊に入ってしまったのが間違いだった。
今、辻がいるのは倉庫を大きく二つに分けて、最初に入った方の部屋である。
さっきの騒動からしばらくたち、倉庫を出ようと早足で戻っていると、
とうとうランプの灯が消えてしまった。
入ってきた時から数時間ぐらい経っていて、夜になってしまったようなので、
光は完全に失われ、視界はもう完全に閉ざされている。
暗闇の中を手探りで歩くも、まったくと言っていいほど扉が見えない。
「真っ暗・・・。確かこの部屋は電気スイッチがあったはずなんだけな・・・」
壁に手を当てて前へ前へと進む。
なんだか妙に胸が騒ぐ。理由は分からない。
ただひたすらに悪い予感がするだけだ。
「どうして・・またこの扉につくんだ・・・?」
目の前にあるのはあの、冷気を放つ、不気味な分厚い扉。辻は途方に暮れた。
「はぁ~~。ここで朝になるのを待つか」
断念して扉の近くに座り込む。
しん、と静まった中で、辻はある音を耳にする。
「雨だ・・・。儀式は終わっているけど、強くなったら大変だな・・・」
長寿の桜へすぐに祈りを捧げた辻は疲れたように横に倒れた。




