↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
9/19

変らない日常と変わりゆく認識 1

 窓から差し込む朝日で、静かに目を覚ます。


「……。」


眩しさに眉を潜め、頭を掻く。

 身体が妙に気怠いし、気分も優れない。ゆっくりと起き上がりカーテンを閉めると、少し具合が良くなった。

 昨晩はあまり眠れなかったが、眠気の類は感じない。化物になった影響だろうか。


(考えていても仕方がない、学校に行く準備をしよう。)


自分に言い聞かせて、部屋を出る。

 化物になったからと言って、特別な変化があった訳でもない。顔を洗い、制服に着替える。朝食は、いつも食べていない。不健康かも知れないが、朝は食欲が無いのだ。今日の様な日差しの強い朝は特に。

 顔を洗っても、まだ頭がぼんやりとしている。意識をはっきりさせる為に、珈琲を淹れることにした。

味に違和感は無い。化物になったからと言って、味覚の方に変化はない様だ。

もしくは、味覚と言うある種の認識さえも、一晩で書き換えられたのかも知れない。

歯を磨いている時に、犬歯が伸びている事に気が付いた。昨日交わした、妓詠との契約の証だろうか。まぁ伸びたと言っても、ほんの少し。隠さなければいけない程でも無い。

髪の毛を整えたら、制服に着替えて家を出る。

時刻は午前六時四十分頃。通学路はまだ静けさが漂っている。後十分もすれば騒がしくなるので、今のうちに登校しておく。

学校に付く時間も自然と早くなってしまうが、それはもう仕方のない事だと割り切っている。


「あー……。」


情けない声が、口から洩れる。

 朝の日差しが、文字通り肌に刺さる。ピリピリとした日焼けの様な痛みと倦怠感。

 吸血鬼と言うのは、想像以上に不便な生き物かも知れない。人気のない通学路を進みながら、僕は昨晩話した事を思い出していた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。