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拝啓、⬛︎⬛︎な家族へ  作者: 眠り猫のお茶会


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プロローグ(大英雄編)

この物語はフィクションです。現実に存在する人、地名、団体などとは関係ありません。

 今日はゆっくりと休めそうだ。こんな風に出かけるのなんて久しぶりだな。まぁ、こういう時に何か起こりそうで怖いんだけどね…。

「お待たせしました!勇者様のポトフセットです。」

「ありがとうございます。」

「こちらこそよく来ていただいてありがたい限りです」

このお店にはこの世界に来た時からお世話になってて、料理のレパートリーで悩んでるって相談された時に楓から貰った手作りの料理本を貸したら思ったより喜ばれた。正直、楓の味がこの世界でも味わえるのは嬉しいけど、何か足りないって感じてしまって申し訳なくなってしまう。

「あっ、勇者様!やはりここにいらっしゃいましたね」

「どうしたんですか?」

レイリスさんが何か抱えてる。

「勇者様にお願いしたいのですが、私の仕事が終わるまでこの子を預かってもらえませんか?」

「えっ!?あのいきなりすぎませんか?」

事前に約束していたのならまだしも、いきなり言われて子どもを預かるのは厳しすぎないか?

「すみません!私もいきなりこの子を託されまして……この後も教会で仕事があるので、この子を気に掛けてあげられないんです。なので、時間のある勇者様にお願いしたいんです」

聖女様も突然のことで焦って、どう対応したらいいのか考えたんだろうな……。

「今日は特に予定はないので大丈夫ですが、今後はどうされますか?僕も依頼を受けるので、誰か見てくれる人を探さないといけませんよ」

「それなら心当たりがあります」

自信満々にそう言っている様子はなんだか微笑ましいな。取り敢えず、この子が健やかに成長できる環境が作らないと……。

「この子のためにミルクや着替えなどを用意しないといけませんね……」

「それならうちのを貸そうか?この子の小さい頃のがまだ残ってると思うから持っていくといいよ。流石に、ミルクは自分たちで準備してもらうことになるけど」

カウンターから店主の奥さんが出てきてそう言ってくれた。

「いいんですか?僕たちとしてはありがたいんですが、思い出の品じゃないんですか……?」

着れなくなった服を裁縫によってぬいぐるみや小物にする人がいることは知ってるから気になってしまった。

「……まぁ、確かに思い入れはあるよ。この子が育ってきた証拠だからね……。けど、必要としてる人がいるなら使ってもらった方が作られたものも喜ぶと思うからさ!」

「「ありがとうございます!」」

 依頼の受注に関して、冒険者ギルドに少し話を通しておいた方がいいかもしれないな……。


「あっ!ちょうど良いところにいらっしゃいましたね、ソラ様」

「どういうことですか?」

 受付の人がとある依頼書を取り出して話し始めた。

「実は、昨日大聖女様が匿名でソラ様に指名依頼を出されました」

心当たりって僕じゃん!でも、レイリスさんにしては考えてくれてる。

「依頼内容は大方依頼者から聞いてるのですが、確認のために見させていただけませんか?」

「分かりました。それでは、一緒に確認していきましょう」

「はい」

「依頼内容は、依頼者の子どもを預かりお世話をすること。お世話に必要な物は依頼者が予め準備しているそうです。そして、報酬は食事や住居の提供といった現物支給だそうです。なお、仲介料は別ですでに頂いております」

「分かりましたが、報酬が破格な気がしますね」

「こちら長期の依頼となっておりますので、妥当だと思われます。勇者様のお陰でこの国も平和になりましたので、ソラ様が長期の依頼を受けられても特に問題はありません。休養だと思ってください。受けられますか?」

「もちろん受けさせてもらいます」

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