黒の日記❬4月11日❭
本日2話目!
今日の更新は白の日記❬4月11日❭からですのでお気をつけて~。
スライム地獄を脱したわたしたちは、すぐに次の街へと向かった。
もうこの森には居たくない一心でひたすらに足を動かし続け、そのかいもあり、今日の夕方にはここヒューズに到着することができた。
ヒューズは王都のすぐ近くにある街ということもあり、そこそこ栄えた街だ。
特にここは王都に行く冒険者や王都から出る冒険者が寄ることの多い街。武器や防具を主に取り扱うことで、冒険者を相手に儲けているのだ。
宿も冒険者相手のものが多く、安くて大量の飯がでてくるところばかりだ。
だから王女様には少々合わないかとも思ったのだが…………さすがは噂に聞くほどもある。むしろわたしより馴染んでらした。
逆に、王女がこれでいいのかと悩むほどだ。ジュダル殿もため息を吐いていたし、よくあることなのかもしれない。苦労人のジュダル殿には慣れないことなのだろうな。
宿に向かう前にギルドの依頼を一通り眺めてきた。
やはりここも治安が良いみたいだ。定住する冒険者こそ少ないものの、一日にいる冒険者の数は国内有数のこの街だ。治安が悪いはずもない。
一番高かったのはBランクだが、この街にはBランク依頼をこなせるものなどたくさんいる。この街はほぼ素通りということになるかもしれないな。
本来なら武器を買うところだが、わたしたちは王から秘宝級の武具を受け取っている。わざわざレベルの低い武器に買い換えて他の者の武器を奪うこともないだろう。
わたしたちは王から、ギルドの依頼に関してある厳命を受けている。
それは、その街で十分に解決できる依頼は受けてはないない、というものだ。
ギルドは各々の力によって受ける依頼を決める。ランクによっての制限などはないが、すべて自己責任だ。ギルドに登録したばかりのわたしたちでも、Bランクの依頼はこなせる。
しかし、わたしたちの力は魔王軍撃破のための精鋭部隊だ。その戦闘力は他の冒険者たちと比べて比較にならず、ギルドランクでいえば最高ランクのSはあるだろう。
だからこそ、わたしたちが他の者たちの依頼を奪うわけにはいかない。
それは、一人の冒険者の暮らしを破壊することに繋がるからだ。
わたしたちは、武具も防具も買い換える必要がない。整備は必要だろうが、それも他の者たちよりずっと少なくてすむ。
必要なのは宿代と食料代ぐらいだ。その上、王から多額の金を受け取っている。
そこまでされているのに、わざわざ他の者の依頼を奪う必要もない。
だからこの街に留まり続ける理由は一切ないのだ。それはこの街に限らず他の街でも言えることだが。
それこそ、Sランク依頼や特殊ランクの依頼が突然出てこない限りは街に留まる予定は特にない。
まぁ、何か特殊なことが起きない限りは、だがな。
おっと。日記を書いていたらロイ殿に呼ばれてしまった。
また酒盛りだろうか?わたしは酒に強くないからあまり付き合えないのだが。……まぁそこはなんとかジュダル殿が押さえてくれるだろう。
王女様はすでにできあがっているだろうし、わたしが相手をするほかあるまい。
さてと。きりもいいことだし今日の日記はここらまでとしておこうか。
明日は何か特別なことが起こる気がする。こういう予感はよく当たる。良いことでも、悪いことでも。
またスライムの大群に放り込まれるとかだったら、気絶をする気すらするぞ。
良いことであることを願うしかないが、そうであってほしいと切に思うよ。




