ランキング入り
目が覚めた時、家のベッドにいた。
いつの間にか朝になっていた。
どうやら帰って寝たらしい。
前の日のことが思い出せない。
だけど、嫌な予感だけはいつまでも胸にあった。
携帯を開く。
LIMEという通話やチャットができるソフトに通知があった。
すると、そこには、つばめという名前が登録してあった。
当然、見覚えがない。
『はじめまして。翼』
携帯にはそう書かれていた。
なるほど。
こいつがつばめか。
「そっか。これで連絡を取るっていう方法があったのか」
オレにしては冴えてるな。
『今、オレにしては冴えてると思ってたみたいだけど、わたくしとあなたは別の人物であることを忘れないでね』
生意気なやつ。
確かにこんなこと考えるのはオレではない。
『今後はこの方法で連絡しましょう』
オレではない時間に何が起こったか知るためにもこいつの協力は必要だろう。
『早速だけど、大変なことが起きたわ』
まさか、義則に嫌われたとか!?
『あの幼馴染に嫌われたとかじゃないから安心して』
それはそれで安心だけど心を読むなよ。
『どうせ知ることになるだろうけど、今、言っておくのはあなたに心の準備をさせるため』
どういうことだ?
『義則がランキングに乗ったわ』
「な!?」
思わず声が出てしまった。
昼休み。
オレは他校の校内を走っていた。
誰もがオレの制服を見て怪訝そうな顔をしていた。
オレは目当ての教室のドアを開けた。
「おい、たんぽぽはいるか!?」
教室の中央ではお姉さまが女子たちのはべらせていた。
まるで王様だ。
「次はあれが食べたいわ」
「は、はい」
女子生徒が手元の弁当箱のリンゴをフォークで突き刺さしてお姉さまの口元に運んだ。
「ふふ、素直な子ね」
お姉さまが女子生徒の頭を撫でる。
「あぁ……たんぽぽ様」
それだけで女子生徒が昇天した。
「あんた学校でもそんななのか」
相変わらずの傍若無人ぶりだ。
ったく、でも今はそんなことを言及してる場合じゃないか。
「あら、愛しい妹じゃない。どうしたの?」
「義則の件、どういうことだよ」
「どういうことっていうのは?」
「なんで義則がランキングに乗ってるんだよ!」
怒号。
教室にいた生徒たちが一斉にすくみ上る。
つばめだけの意見を信用するわけではない。
だから、ネットを使ってお姉さまは言っていたランキングとやらを調べてみた。
本当に義則がランキング入りしていた。
しかも、三十五位。
ありえないくらい高い。
「落ち着きなさい。とりあえず、場所を移動するわよ」
ここでは他校の自分は人目を引き付けすぎる。
不安に感じた何人かの生徒は教師を呼ぶような話を小声でしていた。
「……わかった」




