能力発現
今回は少し長めになりました。
楽しんで読んで頂けると幸いです。
カランカラーン...
「《いらっしゃいませ!》」
武具店「極み」の扉を開けると鐘の音と共に元気な声が店中に響き渡る。
「《何をお求めでしょうか?》」
「え...?あ、えっと...」
店員さんに声をかけられ、少し戸惑う未来だったが、すかさずペアが助太刀に入った。
「《この人の武器と防具を購入したいのですが...オススメありますか?》」
「《でしたら、この防具はいかがでしょうか?軽くて丈夫なのでオススメですよ。》」
店員さんが防具を手にとって差し出す。
コンコンッ
それを受け取った未来は防具を確かめるように指で軽く叩く。
「うん。確かに軽いし、丈夫そうですね。これにします。」
「《有り難うございます。武器の方ですね。何か気になる武器がありますか?》」
未来は手を顎に当てて少しうーん...と悩んだ後に、
近くの短刀を手に取りポンポンっと掌に当てながら、
「じゃあ、この短刀にします。」
ドサッ...
未来は防具と短刀を勘定台の上に置いた。
「《防具が小手、胴、足のセットで銀貨3枚。短刀は銀貨2枚になります。》」
店員さんにそう言われて、未来は肝心なことに気付く。
「え...?銀貨?そうだよな。円なわけないか。どうしよう...」
戸惑う未来を余所にペアが銀貨5枚を台の上に置いた。
「《貨幣持ってないんでしょ...?焦りが見えてるよ。取り敢えず払っとくわよ。》」
「有り難う。ごめん。稼いだら直ぐ返すから。」
未来がお礼を言うとペアは、
「《いいよいいよ。余裕が出来てから返してくれたので。》」
と、袋に入った装備品を渡してくれた。
「《ご利用有り難うございました!》」
装備品を身に付けた後、店を出た。
「《次なんだけど、教会行かない?ミライの能力を発現させに。》」
少し前を歩いていたペアが腕を後ろで組んでクルッと振り返った。
「いいね。..って...え?能力って自然に発現するんじゃないの?」
未来は少し首を傾げた。
「《そうだよ。15歳になった日からだから普通は15歳の誕生日に行くんだけどね。》」
ペアはまたクルッと半回転して歩き出した。
「そうなんだ...そう言えば、少し話それるけどペアはいくつなの?自分は20歳なんだけど。」
未来は歩きながら頬を掻いた。
「《え?20なの?意外...同じか年下かと思ってた。私は17だよ。》」
そんな雑談をしながら教会へ向かった。
「《本日はどの様なご用件でしょうか?》」
教会に入るとシスターに声をかけられたので、未来が対応した。
「能力の発現をしに来たのですが...出来ますか?」
「《はい。可能ですよ。お連れの方はそちらの椅子にお掛けになってお待ち下さい。》」
未来は短刀をペアに預けた後、シスターについて行き奥の部屋に向かった。
その部屋には薄暗く、2本の蝋燭が雰囲気を醸して出していた。
「《では、早速始めます。そこに座って下さい。》」
シスターに言われるがままに未来は椅子に座った。
未来から少し離れた所に立ったシスターは両手を前で組み、
「《黙祷してください。》」
と言って、自身も目を瞑った。
それから、10秒くらいその状態が続いた。
「《目を開けて下さい。》」
未来はシスターの合図で目を開けた。
「...:?もう終わりですか?」
「《はい。奥の石盤にあなたの能力について追加されてあると思いますよ。》
直ぐ終わって拍子抜けした未来だったが、シスターが示す石盤の方に足を運んだ。
石盤の一番下に...
文字が読めなかった。まあ、言葉が違うんだから、そうなるよな...
「すみません。読めないので教えてもらえませんか?」
シスターに御願いして読んでもらった。
ミライ 20歳 能力 想像造形《機械》
と、表記されてあった。らしい...
石盤を確認し終わると部屋を出てペアの元に戻った。
「《どうだった?》」
部屋から出た所で、ペアが椅子から立って寄ってきた。
「想像造形《機械》って能力だった。効果はまだわからない。今から試す。」
そう言って、未来は試しにドローンをイメージしてみた。
細部まで、より細かく...
コトッ...
未来がイメージし終わると共にドローンが出てきた。
ドローンを拾いながら未来は素朴な疑問を口にした。
「あれ?そう言えば、この世界って電池ないよな?」
「《え?ごめん...デンチって何?》」
ペアから思った通りの応えが返って来た。
「..だよな。電池ないと動かないし...使えない。」
未来はボソッと呟いた。
「《えっと...それは本来、動かせるもの何ですよね?でしたら魔法石を身に付けていたら動かせるかもしれないですね。》」
と、言ってシスターが鞄から指輪を取り出した。
「《本来なら金貨1枚相当ですが、幾つかありますので特別に差し上げます。私も興味ありますし。》」
シスターから指輪を受け取ると、有り難うございます。と一言言って、指に嵌めて念じる。
するとドローンのプロペラが回りだし、宙に浮いた。
右へ、左へ、前に、一回転...自由自在に動かせた。
「よしっ!」
小さくガッツポーズをした未来の横でペアとシスターが呆然としていた。
「有り難うございました。」
教会の前でペアと共に頭を下げた。
「《いえいえ。私も良いものを見させてもらいました。また機会が有れば足を運んで来てくださいね。》」
と、シスターも一礼した。
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