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破滅エンドが確定しました。悪役令嬢ですが知ったこっちゃない、逃げる。  作者: 西園寺百合子


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6/9

06 まさかの提案で、困惑。

『蒼い誓いと紅い秘密、その扉の向こうで』

ヒロイン ミレイア・ノクス     光魔法

皇太子  アルト・アズリオン    水魔法

悪役令嬢 ヴェロニカ・ルージュリス 炎魔法

「婚約者であるヴェロのことを、大事にできなくて申し訳ない。ただ、学園にいた頃はなぜか…君のことが嫌いで…いや、違うな。好きなのに、好きでいてはいけない気がして…」

アルト殿下は、どう説明したらいいかわからないという感じだ。

でも、私にはわかる。

それはあれだ、物語の強制力。


アルト殿下は、ヒロインを愛し、悪役令嬢を嫌わなければいけないから。


でも、ちょっとだけホッとした。

アルト殿下に、心から嫌われていたわけではなかったんだ。

だって、最推しなんだもん。

そんな皇太子に嫌われるのは、悪役令嬢役でも辛かったんだもの。


「わかりました、アルト・アズリオン殿下。その謝罪は謹んでお受けいたします。ですからどうか、ミレイア・ノクス嬢と仲良くお過ごしください」

そう伝えると、アルト殿下の顔色が変わった。

「え?…いや、あれと仲良くは無理だろ。あんな腹黒…」


そう言われて、きょとんとした。

あれ?ヒロインと結ばれてないの?

もしかして、私が断罪から逃げたからストーリーが変わったのかしら。

「ミレイア・ノクス嬢は、セレネイド王国の皇太子の婚約者になったと聞いたよ」

そう言われて、驚いた。


そうだった。

隣国の皇太子も、攻略対象じゃん…

皇太子ルートしかやってなかったもん。

すっかり忘れてた。

「そうなんですね…この国の、皇太子の…婚約者」

すぐに、この国から逃げたほうがよさそうな気がしてきた。


「だから…いや、だからってわけでもないけど。俺と一緒にルミナリス王国に戻ってほしい。結婚式をあげよう!」

そう言われて、驚く。

「えっ…私たち、婚約…破棄……もしかして、してないんですか?」

卒業式の断罪で、悪役令嬢はアルト殿下から婚約破棄を言い渡される。

その断罪がなかったから、婚約破棄してない…のか?


「もちろん。君は、俺の婚約者だよ」

そう言われて、驚き過ぎて、意識が飛んだ。

そんなストーリーは知らない。


皇太子ルートも、騎士ルートも、隣国の皇太子ルートでも、悪役令嬢は処刑されていたはずだ。

隣国の皇太子ルートだから、悪役令嬢が皇太子の婚約者のままなんてことはありえない。

どういうことなんだろう。


「もう、ミレイア・ノクス嬢はいないし、君も気兼ねをしなくていいだろう?」

アルト殿下にそう言われて、微笑みかけられて、キュンとする。

最推しの微笑み、いただきました!

ではなく。

それはそれで、とても困るのだ。

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