49 幸せな勘違いと、結婚。
聖女 ヴェロニカ・ルージュリス 炎魔法
皇太子 アルト・アズリオン 水魔法
皇太子弟 シエル・アズリオン 風魔法
弟婚約者 リリアーヌ・マーロウ 雷魔法
罪人 ミレイア・ノクス 光魔法
先生 カサンドラ
「…側妃を持つつもりはないよ」
アルト殿下がそう言ってくれた。
嘘でも嬉しい。
「だから…子どもはたくさんつくろう。ポンポン産もう。側妃なんて話題が出ないくらい」
アルト殿下がそう言うから、笑ってしまった。
「ポンポンって、私が産むんですよ?…ポンポンとは産めません」
こればかりは授かりものだしね。
それに、私はもう適齢期を過ぎている。
アルト殿下と同い歳の私は、もういい歳だ。
それは、アルト殿下だってわかっているだろう。
「ですから、側妃のことは気になさらないでください」
そう言うと、アルト殿下がキスしてくれた。
「もう、俺のことを諦めないでって言ったよね?」
「諦めていません。側妃がいても、あなたを独り占めできるくらい、魅力的な女性でいる努力をしますから」
そう言うと、アルト殿下に抱きしめられた。
本当は自信がない。
私より若い女性が側妃として現れて、それでも好きでいてもらえるのか。
隣国の皇太子は側妃が何人もいたみたいだから、そうなる可能性はある。
それでも、私は、アルト殿下を好きでいるのを諦めない。
そう、アルト殿下と約束したんだもん。
ぱふっと、ベッドに押し倒された。
前も、こんなことあったなと思い返す。
ミレイアとの仲を取り持とうか悩んでいたときに…
「明日、結婚しようか。いや、今、結婚しよう。…だから、いい?」
何がいい?
きょとんとして、アルト殿下を見る。
じっと見つめられて、ようやく理解する。
「だ、ダメですっ!っていうか、今、結婚って、け、結婚って…」
アルト殿下を押して上半身を起こす。
何を言ってるんだ、全く。
アルト殿下が、えろエロ星人(死語)になりました。
助けてぇ…
というわけで、自分の部屋に逃げ帰る。
顔が熱い。
異世界転生する前に、それなりに…それなりには経験がありますけど。
この体では、あれですよ。
初めてですよ…
チラッと自分の体を見る。
色々とあって、私、運動してない…
次の日から、リリアーヌ嬢とともに運動にいそしんだ。
だって一時期、地の果てで酒盛り予定だったし。
もうアルト殿下と会えないと思ってたんだもん。
こんなぶよぶよの体を、アルト殿下に見せるわけにはいかない。
努力と根性で、なんとか人様に見せられるまでに成長させた。
「ヴェロ…そんなにウエディングドレスを早く着たかったんだね」
アルト殿下が盛大な勘違いをして、アルト殿下と私の結婚は早まった…
いや違う。
これは、アルト殿下の思惑通りというやつでは。
「私がダイエットしている理由、知ってましたよね?」
私がそう言うと、アルト殿下はニッコリ微笑んだ。
やっぱり、腹黒じゃん。




