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破滅エンドが確定しました。悪役令嬢ですが知ったこっちゃない、逃げる。  作者: 西園寺百合子


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47/50

47 久しぶりのお城で、迷子。

悪役令嬢 ヴェロニカ・ルージュリス 炎魔法

皇太子  アルト・アズリオン    水魔法

皇太子弟 シエル・アズリオン    風魔法

婚約者  リリアーヌ・マーロウ   雷魔法

ヒロイン ミレイア・ノクス     光魔法

先生   カサンドラ

「なによ、それ!なんなのよ!!」


ミレイアは納得いかないと私に歩み寄ろうとしたけど、大人たちに連れていかれた。

それが、私がミレイアを見た最後となった。

ミレイアはアルト殿下の予定通り、祈りの島という名の地の果てに追いやられた。

泳いで海を渡る根性があれば別だか、あの島から出ることはできないだろう。


壮行会そうこうかいでの出来事があんなにスムーズだったのは、来ていた人のほとんどが、あの茶番を知っていたからだ。

アルト殿下が2日間で説明し、説得に回ってくれたのだ。

神官へも説明して、説得してくれていた。

言葉で言えばそれだけだが、それがどれほど大変なことだったかは想像に難しくない。


光の扉がもう現れないことを納得しない人もいたはずだ。

それを、根気強く説得してくれたアルト殿下はすごい人だと思う。

そんなわけで、神殿からお城に帰ることとなった。

魔法はこれからも学ぶ予定だけど、それほど大きな力はもたないほうがいいだろうというのが、神殿の判断だ。

私もアルト殿下も、それを受け入れた。


それにしても。

だったら壮行会なんてやる必要がなかったのでは、とも思う。

ただ、民には古代の聖女の生まれ変わりが現れたと伝えてしまっている。

だから、カタチだけでも祈りの島へ行く聖女が必要だったのだ。

「それに、2日前だよ。もう各国のお偉いさんが神殿に来てたんだ。なにかやるしかないだろ」

アルト殿下はそう言ったけど、私はアルト殿下が公開プロポーズをしただけだったんじゃないかと思ってる。


ただ、私がアルト殿下の婚約者として歓迎されたのはあの公開プロポーズのおかげであることはいなめない。

あれだけ大々的に発表してしまったら、反対していた人たちも認めざるを得なかったというところだろう。


「ヴェロニカ嬢!」

元気な声が聞こえて振り向くと、リリアーヌ嬢がいた。

少し背が伸びただろうか。

子どもの成長は早い。

「もう、大変だったのよ!あなたがいないから、私ひとりで王妃教育を受けていたのよ」

「…それは申し訳ありませんでした。では、リリアーヌ嬢から教えていただかなくてはいけないことが多いですね」

そう言うと「まあ、教えてあげてもいいわ」と言われた。

本当に可愛い。


「アルト兄様っ!」

そう言って、シエル殿下がアルト殿下に駆け寄っていっている。

お互いの母親の問題は残っているけど、この2人の仲はいいみたいで安心した。

ふわっとした風が吹く。

ああ、戻ってきたんだなと思えた。


それぞれに挨拶をして、部屋に戻ることにする。

ちょっと気になっていた。

…なぜ、アルト殿下もついてくるんだろう。

「…あ、大丈夫ですよ。久しぶりですけど、迷わずに行けますから」

心配性なのか?

それとも…部屋でキス…キスとかしちゃうのかな。


そんなことを考えながら部屋に向かう。

「そっちじゃなくて、こっちだよ」

アルト殿下に言われて、戸惑う。

たった数日、帰ってこなかっただけで、私ったら部屋の場所を忘れてしまったようだ。


「すみません…うっかり。えっと、ここは右…」

「左だよ」

おっと?そうだっけ…


もしかして、色々あって、記憶喪失…いや、記憶障害にでもなったんだろうか。

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