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破滅エンドが確定しました。悪役令嬢ですが知ったこっちゃない、逃げる。  作者: 西園寺百合子


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31/50

31 アルト殿下が目覚めて、冷汗。

悪役令嬢 ヴェロニカ・ルージュリス 炎魔法

皇太子  アルト・アズリオン    水魔法

皇太子弟 シエル・アズリオン    風魔法

婚約者  リリアーヌ・マーロウ   雷魔法

ヒロイン ミレイア・ノクス     光魔法

先生   カサンドラ

眩しい…私の部屋は北側で、こんなに光が入ってくることはないはず。

廊下で寝ちゃったかな?

体を動かすと、ふかふかだ。

なんて寝心地のいいベッドなんだろう。

…寝心地のいい、ベッド?


目を開ける。

ベッドの上にいる。

眩しい。

…ここは、どこ?


恐る恐る、首を横に向けた。

「…っ゛?!!?!!!?」

アルト殿下?

「おはよう、ヴィロ。よく眠れた?」

そう言われて、まだ私は夢の中にいるようだと感じた。

もう一度、目を閉じる。

夢の中で眠ると、夢がさめる…はず。


じっとして、眠るのを待つ。

いやいやいや。

じゃあ、さっきまで私、何してたのさ。

寝てたよね、うん。


目を開けて、ベッドから出て、土下座。

「あ、アルト・アズリオン殿下の…ベッドに入ってしまい…誠に申し訳ありませんっ!」

土下座する私をアルト殿下が見て「ここに座って」とポンポンと自分の隣を叩いた。

何かのデジャヴ。


「き、きのうの夜のは、ゆ、夢じゃ…ない?」

血の気が引いていく。

血以外のものも引いている気がする。

「うん。夢じゃない。ヴェロが言ってくれたじゃないか、結婚しようって」

アルト殿下がいい感じにセリフを切り取った。

「いやっ、それは夢だと思って…ええっ゛?!」


驚いているうちに、ベッドに引き戻された。

どういう状況?どういう…

「抱き枕っていいね。こうすると、よく眠れる」

アルト殿下がそう言って私を抱きしめた。


トントントンと扉がノックされる音がする。

まずい、まずいっ!誰かくるっ!!

慌てて布団の中に隠れようとしたところを、侍従に目撃されてしまった。

沈黙。


「おはよう。…見られちゃったね」

アルト殿下がそう言って、私の頬にキスをした。

頬へのキスは挨拶でもするけど、するけど…

「っ゛!!!!!」

顔を真っ赤にしていると、侍従が「アルト殿下が目を覚まされました!」と誰かに報告しながら走っていった。

待って!まだ、人を呼ばないで!


そう思っていたのに、あっという間に人が集まってしまった。

ベッドから出るに出られなくなってしまって、アルト殿下が呼んでくれた侍女が用意してくれたドレスに着替え、部屋の隅に立っているしかなかった。


シエル殿下がきて、皇后様がいらして、王妃様も王様もいらして…すごく気まずい。

どのタイミングで帰ればいいのかわからなくて、変な汗をかきながら部屋の隅で気配を消すことに集中した。

皆さんが帰られて、ようやく失礼することにする。

「ヴェロ、待って。俺が起きたら、なんでもしてくれるんだろ?」

そう言って、手を掴まれる。


「そ、それは…夢だと思っていたからで」

「ルージュリス家のことは大丈夫だから。あと、シエルのことも」

アルト殿下がそう言った。

何がどう、大丈夫だというんだろう。

「色々と大丈夫だから…1つ、検査を受けてみてくれない?」

アルト殿下にそう言われて、きょとんとした。

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