23 お庭で気分転換をして、思案。
悪役令嬢 ヴェロニカ・ルージュリス 炎魔法
皇太子 アルト・アズリオン 水魔法
皇太子弟 シエル・アズリオン 風魔法
婚約者 リリアーヌ・マーロウ 雷魔法
ヒロイン ミレイア・ノクス 光魔法
先生 カサンドラ
お茶会のあと、シエル殿下に1度お会いして、図書室にアルト殿下がよくいらっしゃるようだとお伝えしてみた。
それから、図書室でアルト殿下とシエル殿下が話している姿が目撃されるようになったらしい。
ちゃんと仲良くなりたいってお伝えできたのかな。
アルト殿下とシエル殿下が図書室で会われているだろうと思うと、ますます図書室に行きづらくなった。
本が読めなくなるのは残念だけど、可愛い弟分のためなら仕方がない。
そこで、気分転換の場所をお庭に移した。
何をするでもないけど、散歩をして設置されている椅子に座ってぼんやりする。
王族限定のお庭ほどではないけど、ここも十分、美しい。
ぼんやり空を見ていたら、隣に誰かが座る。
私のお庭ではないし、譲るか。
挨拶をして去ろうとして隣を見る。
「あ…アルト・アズリオン殿下っ」
驚いて、立ち上がって、しどろもどろに挨拶をする。
なぜ、ここに。
ここ、王族限定のお庭だった?
間違えて来ちゃった?
キョロキョロと辺りを見渡し、いつものお庭だと確認する。
「…ただ、休憩しているだけだから、そんなにかしこまらなくていいよ」
そう言われて、そんな無理なことをと思ってしまう。
椅子はそこかしこにあるのに、なぜ隣に座るんだ。
「そうでしたか…休憩…あ、で、では、失礼いたします…」
そう言って立ち去ろうとして「そう言えば、シエルが、」とアルト殿下が話し始めた。
「シエル殿下がどうされましたか?」
話している途中で立ち去るのも不敬なので、仕方なく立ち止まる。
「…シエルから、仲良くなりたいと言われたんだが…」
そう言われて、言えたんだと嬉しくなった。
「シエルと、どう仲良くしたらいいかわからない。というか、もともと仲が悪いわけじゃないのに、どうしたらいいと思う?」
そう言われた。
これは相談されたんだろうか?
それとも、愚痴的な?独り言的なやつなんだろうか?
「どう…そうですね。図書室でお話されているとうかがっていますが、どんな話をされているんですか?」
「最近、どんな剣の稽古をしているかとか、どんなところに行ったとか。そんな話だが…」
図書室で稽古の話とかしてたんだ。
変な兄弟だ。
「アルト・アズリオン殿下は…」
「アルトでいい」
「…アルト・アズリオン殿下は、シエル殿下と仲良くできていると思ってるんですよね。そうであれば、無理に何かする必要はないのではないでしょうか」
そう伝えて、微笑む。
「アルトでいいよ」
「殿下をお名前で呼ぶことはできません。あ、図書室以外でもお話されるのもいいかもしれませんよ」
アルト殿下は、アルト殿下と呼んでほしいようだ。
学園では嫌がられたのに。
ストーリーの強制力がなくなってからのアルト殿下は別人みたい。
学園を卒業してからアルト殿下に会えていたら、アルト殿下と私の関係も変わっていたのかな。




