18 図書室で相談して、想起。
悪役令嬢 ヴェロニカ・ルージュリス 炎魔法
皇太子 アルト・アズリオン 水魔法
皇太子弟 シエル・アズリオン 風魔法
婚約者 リリアーヌ・マーロウ 雷魔法
ヒロイン ミレイア・ノクス 光魔法
先生 カサンドラ
図書室の前まで来て、深呼吸した。
もし今日会えなかったら、この計画は諦めて、もう図書室には来ない。
勝手に決め事を作った。
ゆっくりとドアを開けて、いつもの棚に行く。
そうして、やっぱりここは乙女ゲームの世界だなと思った。
アルト殿下が静かにそこに立っていたからだ。
きっと、アルト殿下は図書室で会えるキャラクターなのだろう。
そう思ったら、笑みがこぼれた。
アルト殿下がゆっくり目線をあげて、下げて、もう一度、私を見た。
綺麗な二度見だ。
って、挨拶、挨拶。
「失礼いたします…アルト・アズリオン殿下に…」
挨拶をしようとして、アルト殿下に腕を掴まれた。
驚いて、挨拶が飛んでしまった。
「体調でも崩していたのか?…なにかされたりしたの?」
突然そう言われて、きょとんとした。
「い、いえ…特に何も」
特に何もなかった。
私がきょとんとしているのを見て、アルト殿下が慌てて私から手をはなした。
「ああ、そうか…いや。最近、図書室で見かけないから…体調でも崩したのかと思って」
そう言われて、なるほどと思った。
「王妃教育が…忙しくて。ご心配いただき、ありがとうございます」
結局、挨拶できていないけど、まあいいだろう。
「あの…アルト殿下に、大変…その…図々しいお願いがあるのですが」
私がそう言うと、アルト殿下は少し固まって、首を傾げて、目を輝かせた。
「なんだい?なんでも言ってごらん」
どういう心境でそのセリフ?
「その…シエル殿下にお願いをしていただきたくて…」
そう言って、リリアーヌ嬢を運動させよう作戦を説明した。
アルト殿下にシエル殿下の婚約者の話をしてもいいんだろうかとも思ったけど。
まあ、いいだろう。
「…状況はわかったけど、君も参加する必要はあるの?」
アルト殿下がつまらなそうに言う。
「一応…そうですね」
シエル殿下の側妃になる予定ですからと言いそうになって、なんとなくやめた。
あらためて考えると、私ってヒドイ経歴だ。
アルト殿下の元婚約者で、シエル殿下の側妃予定。
そりゃあ、侍女や他のご令嬢たちから嫌われるはずだ。
実は、お城にきてからというもの、1度もご令嬢たちからお茶会に呼ばれたことはない。
シエル殿下のご両親に挨拶すらさせてもらえていない。
これが悪役令嬢の定めなのか。
でも、こんなに嫌われなくてもいいのに。




